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2015年8月

2015.08.18

天津爆発事故のショッキングな画像

宮崎正弘氏から配信されたメルマガ「国際ニュース早読み通算4630号」の読者の声で紹介されたURLで悲惨な状況を見ることができる。

(読者の声2)天津の大爆発事故、日本の報道では当り障りのない映像・画像しか見られませんが、「中国茉莉花革命」というサイトには数十枚のショッキングな画像が掲載されています。

http://www.molihua.org/2015/08/58.html

 最初はビルのガラス扉とともに吹き飛ばされる男性、時刻は 23:35:58。
焼死体では三段重ねのもの、レンガの前の炭化したもの、コンテナに押しつぶされたものなど多数。消防ホースと消防服の写真もありますが、身体は完全に燃えてしまったのか写っていません。
 数千台が燃えた自動車、アルミホイールが溶けて水銀のよう。鉄道駅もボロボロ、駅の時計も11時35分で止まっています。
 日本では神戸港が阪神淡路大震災で大きな被害をうけました。世界のコンテナ港ランキングで1980年に第3位、90年に第5位、震災のあった95年には23位に転落。以後、浮上することなく2012年には52位まで低下しています。天津港が今後もとの順位に戻ることはないでしょうね。
   (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)天津港の再開には少なくとも一年、あるいは数年を要するのではありませんか。「茉莉花」は「ジャスミン」の意味ですが、それにしても、これらの写真はショッキングですね。

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2015.08.17

選挙も民主主義も否定する朝日新聞

以下は全て産経新聞からの転載である。


【月刊正論】
メディア裏通信簿 朝日新聞、NHK… 報道をぶった切り 選挙も民主主義も否定する朝日新聞

※この記事は月刊正論9月号から転載しました。


朝日新聞が選挙を否定した! 安保法制反対で正体バレバレ

先生 やっぱり朝日新聞サマはすごいな。安保関連法案が衆議院を通過したけど、その直前の7月14日付の「天声人語」では、憲法解釈の変更がクーデターだと言い張っていた。 《軍隊は出てこなくても、これは一種のクーデターではないのかという批判がある。集団的自衛権を行使できるとした安倍政権の閣議決定のことである。最近では憲法学者の石川健治・東大教授が、雑誌「世界」で語っている▼集団的自衛権は憲法9条の下では行使できないとしてきたこれまでの政府見解を、百八十度ひっくり返す。国民に問うこともなく、あっさりと。これは「法秩序の連続性の破壊」であり、法学的にはクーデターだった、と。事の本質を突いているのではないか》

 過去の最高裁の憲法判断から逸脱しないように、ほんの少し解釈を変えただけなんだぜ。それを「法秩序の連続性の破壊」と言っているが、どう考えても「連続性の維持」だろ。どこがクーデターなんだ。

教授 確かに石川健治東大教授は世界8月号で、昨年7月1日に安倍内閣が、憲法解釈の変更をしたことについて「7・1の出来事はクーデターです」と語っていますね。しかし、昨年7月にクーデターが起きたとすれば、いまの国会で反対している野党議員も、そのクーデター体制下の国会議員ということになりますよ。

先生 過去の内閣が決めた憲法解釈を、新たに選挙で選ばれた政権が変えてはいけないなら、選挙をする意味がない。過去の内閣がアホな決定をしたら、その後、国民はどうしたら、その誤りを修正できるんだ。これは選挙の否定で、議会制民主主義の否定だぜ。

女史 朝日は、自分たちに気に入らない結果が出れば、国民の選挙すら否定しちゃうんだね。7月12日付の天声人語では選挙よりデモだって、書いてたよ。「柄谷行人さんは以前、3・11後の反原発デモに触れ、『人がデモをする社会』という文章を書いた。人々が主権者である社会は、選挙によってではなく、デモによってもたらされる、と。その流れは枯れることなく今に続く」だって。

 池田信夫さんがブログで、柄谷さんの文章は、ヒトラー独裁政権を正当化したカール・シュミットの発想だって、激しく突っ込んでた。(笑)

教授 確かに、この日の天声人語は「投票だけが国民の仕事ではない」「必要なら声を上げる」と、デモを煽っていますね。

先生 天声人語はもともと「天声」を「人」の言葉で「語」るというコラム。デモクラシーつまり「民衆の支配」ではなく、シオクラシー、すなわち「神聖な支配」なんだよ、自分たちが伝える「天の声」こそ真実であり、本来、民衆の声なんか、どうでもいいはず。保守思想にも民衆の暴政に対する警戒があるが、庶民の良識を重んじる。朝日は民衆の名を借りて、自分たちの独善的な主義主張をやりたいだけ。

女史 天声人語だけじゃなくて、朝日新聞自体が、最終的に多数決で決める民主主義を否定しているみたいよ。7月14日付の朝刊では「多数決、本当に民主的? 問題点考える動き、漫画・評論で」という記事が出てたよ。

編集者 最終的に多数決ではなく、何で決定するんですかね。

教授 デモじゃないですか(笑)。その反対デモも、そんなに国民が集まっているのか、疑問ですけどね。日比谷公園の野外音楽堂で反対集会開いた時、テレビで2万人とか1万5千人とか言っていましたが、大いに怪しいですよ。


女史 日比谷の野外音楽堂の収容人員は約3000人だもん。外にあふれているといっても、ネットで確認する限り、そんなにいるように見えなかったけどね。

教授 私がちょっと国会周辺のデモを見に行ったとき、上空にマスコミのものと思しきヘリが飛んでいたんですが、翌日の新聞には、航空写真がまったく載っていない。ピンポイントで、反対派が騒いでいる写真ばかりでした。

編集者 (笑)空から撮ったら、人がちっとも集まっていないのが丸分かりだから、報道するのをやめたんですかね。

先生 その夜のテレビ朝日系報道ステーションでは、日比谷で現場リポートをしたアナウンサーの小川彩佳が、「参加者にはお役所勤めの方もいらっしゃいました」と説明してたけど、それ官公労の組合員が来ているってことじゃないか。公務に励まず、デモをしているんだから立派だぜ。そんな一部の労組のメンバーが集まったデモが、国民の声といえんのか? 日本文化チャンネル桜などが中心になった賛成のデモは報道せず、反対デモばかり流しているし、どう見ても偏向報道だぜ。


ウソ報道に《ふるえる》若者たち

女史 衆院の特別委員会の採決の時、野党の暴れぶりは面白かったね。委員長を取り巻いて、横から紙は奪うわ、大声出すわ。

先生 民主党議員の長島昭久は「誰も暴力ふるってない」「委員長に食い下がったが、一指も触れてないです」とかツイッターに書き込んだけど、指一本触れなくても、あんなことしたら暴力も同然。「集団的自衛権の行使」は、最低限の自衛の範囲を超えた「武力の行使」だから違憲だと言っているけど、あいつらが、やっていることは、暴力の行使じゃないか。

女史 野党が「自民党、感じ悪いよね」というフリップを持ってテレビカメラに向かってPRしてたけど、委員会の審議よりテレビに映りたいだけじゃん。ちなみに「自民党、感じ悪いよね」というセリフは、ツイッターで流行らせようとした人たちがいたみたい。

先生 もともと地方創生担当相の石破茂が自分のグループの勉強会で、「『なんか自民、感じ悪いよね』と国民の意識が高まっていったときに危機を迎えるのが私の経験だ」と発言したのを、逆手に取ったんだろ。

教授 石破大臣は安保法案について「国民の理解が進んでいるかどうかは、各社の世論調査の通りで、まだ進んでいるとは言えない」と発言し、安倍晋三首相まで理解が進んでいないと認める事態となりましたね。

編集者 もちろん石破大臣は安保法案に反対ではなく、採決にも賛成なのに、野党が、それを切り口に「国民の理解が進んでいない」と攻め込んだんですよ。

先生 世論調査を見ると厳しい数字なのは事実。それを言ったまでなのに、野党側が「閣内不一致」と言ったり、一部保守派も「石破は裏切り者」と批判したりしてたが、ちょっと的外れかな。

教授 国民の「理解」が広がらないのは、なぜか。マスコミがウソばかり報道しているからです。戦争になるだとか、徴兵制になるだとか、そう印象づけるウソ報道のオンパレード。もちろん法案には、そんなこと、一言も書いていません。民主党は「いつかは徴兵制?募る不安。」というパンフレットを作成したそうですが、政党助成金という公費をもらっているのに、こんなアジテーションをやっていいのでしょうか。

先生 そういうのを聞いて「戦争したくなくてふるえる」とか、なんとか言って反対デモに参加する若者がいる。怒りで体が震えるんだったら、中国の人権弾圧に体を震わせろっての。拉致被害者を返さない北朝鮮に怒れよ。

教授 「戦争への道」「徴兵制になる」と聞かされれば、恐くて体も震えるかもしれませんが、それはウソですから(笑)。とにかく反対報道は、ウソが多い。

先生 7月12日のTBS系のサンデーモーニングで慶應大学教授の金子勝が、国会審議について「十分な審議時間というが、違憲の疑問に十分に答えていない」と訴えていた。しかし、左翼が言っているとおり法案が「違憲」だとして、審議時間が足りたら、違憲の法案が、違憲じゃなくなるのか? 奴らは結局、審議を引き延ばして潰したいだけで、国民の理解なんて関係ない。7月5日の放送では、安保法案反対の若者が増えてきたことを喜んで、浅井慎平が「若者は利己主義じゃない」「若者が気づいてくれたことは素晴らしい」と言ってたけど、「米軍には日本を守ってもらうけど、日本は集団的自衛権を行使できないので米軍は守りません」というのは究極の利己主義じゃないか。


益川さん、それはちょっと…

教授 若者だけではなく、学者もから騒ぎしていますね。7月15日付の朝日新聞朝刊には、改めて憲法を読み返したノーベル物理学賞の益川敏英さんが「同盟を作って戦争ができるなんて書いていない」と憤っている、とありました。益川さん、安保法案にもそんなことは書いていませんよ。

先生 益川は7月2日放送のTBS系のNewS23「戦争したくなくてふるえる」特集でも、憲法解釈を語っていたが、「論理的に言ったら、明らかにやりすぎている」「どう読んだって、あんな解釈出てこない」と言ってた。

教授 そんなこと言い始めたら、自衛隊だって出てきませんよ。

先生 「日本が戦争やりに行かなきゃいけない理由がわからない」とも言っていたが、「戦争をやりに行く」なんて、誰も言っていないだろ。この人、物理学では優れているのかもしれないが、憲法や法律や安全保障についてはド素人だろ。ただ、左翼的なことを言っているだけ。

女史 7月14日のNews23では、小林よしのりさんが出演してたね。ブログでもコテコテ左翼のキャスター、毎日新聞の岸井成格特別編集委員を「『ニュース23』がやはり岸井成格のきっぱりとした批判の口調が気持ち良くて一番だ」とベタぼめしてたよ。

教授 先月号でも少し言いましたが、いま安保法案に反対している憲法学者たちには、共産党の支持者が多くて、いまだに自衛隊が憲法違反だと考える人たちと、問題意識を共有しているのです。別にそれが悪いとは言いませんが、そういう現実はきちんと分かったうえで、議論をみるべきです。

先生 憲法学者だけが突出しているとも言える。国際法の専門家も、安全保障の専門家も、自衛隊員も安保法案の賛成派が多い。

教授 同志社大学の村田晃嗣学長が国会で「学者は憲法学者だけではない」と発言していましたが、その通りですよ。

先生 憲法学者はほかの法曹関係者からバカにされているよ。

編集者 必ずしも全員がそうとは限りませんよ。例えば百地章先生や八木秀次先生のように見識のある先生もいらっしゃいます。

先生 もちろん、そういう人も少数派としているが、俺が言っているのは、全体的な傾向の話。まず憲法学者はほとんど司法試験にも通っていないから、法曹資格を持つ人たちからは下に見られる。安保法案のとりまとめに貢献した自民党の高村正彦副総裁や公明党の北側一雄副代表は弁護士だぜ。憲法学はごく稀にある違憲訴訟を除くと法律の実務でほぼ使われないし、学者は左翼のイデオロギッシュな人ばかり。少なくとも現実の世の中と向き合ってこなかったのが、憲法学者の多くだよ。

教授 カンボジアのPKOに自衛隊を派遣する時も、多くの憲法学者たちは批判しましたが、現在、どうですか。自衛隊は感謝されていますよ。高村副総裁も言っていましたが、憲法学者の言う通りにしていたら、今日の日本はありませんよ。彼らは、現実の政治と憲法論争を完全に切り離していますが、櫻井よしこ氏が産経新聞で書いたように中国は日中境界線の海域にプラットホームを建設していたし、南シナ海でも軍事拠点を整備している。それなのに憲法学者はこういう現実も見ずに、ただ憲法9条2項だけを見て「違憲だ」と騒ぐ。これでいいのですか。

先生 法案の問題は憲法ではない。ただ、与党内の妥協で不十分になったことは確かだぜ。国際紛争で恒久的に自衛隊が他国軍を後方支援できるようにする国際平和支援法案も、自衛官の武器使用に制限がありすぎる。他国並みに武器使用できるようにしないと本当に身が危ない。「非戦闘地域」が活動対象だというが、そんな単純な分け方できるのか。7月3日のBSフジのプライムニュースで東京外国語大学教授の伊勢崎賢治が「僕が知る限り、現に戦闘が行われていない地域は基地の中だけ」と発言したけど、その通り。

女史 そういう実のある議論はないよね。ただ、「軍靴の音が聞こえてくる」とか、言うだけだもん。空耳だと思うけど。(笑)

教授 産経新聞1面コラム産経抄に書いていましたが、軍靴の音が聞こえてくるとしたら、首相官邸からではありません。中国から聞こえてきているんです。

先生 ネットの毎日新聞で読んだけど、瀬戸内寂聴が「戦争にどんどん近づいている」「今の日本の状態は、私が生きてきた昭和16、17年ごろの雰囲気」と発言してた。すると池田信夫がツイッターで「その時は『戦争に近づいてる』んじゃなくて真っ最中ですよ。おばあちゃん頭は大丈夫?」だって。笑ったな。


番組を見直されたら困る?

編集者 国立国会図書館がテレビやラジオ番組を録画・録音して保存する「放送アーカイブ」構想について、放送業界が「公権力によるメディア監視につながりかねない」と反発していると、6月30日付の毎日新聞朝刊に出ていましたが、そうでしょうか。

女史 毎日新聞取締役の小川一さんという人が「報道の自由を脅かす危険がある」とツイッターに書き込んでたけど、1度公共の電波にのったものを集めることが、なんで報道の自由を脅かすの? おかしいんじゃない。国会図書館では、過去の新聞が見られるけど、報道の自由を脅かしていることにならないよね。なんでテレビやラジオは、そうなるわけ?

先生 後から見直されたら困ることばかり放送してるからだよ。

教授 無責任に好き勝手なことを報道しているということの裏返しじゃないですか。放送業者は免許事業で、電波は公共物。責任を持って放送するのは当然です。

先生 テレビの話だと、日刊ゲンダイが頻繁にツイッターで安保法案反対のメディアを批判する首相補佐官、礒崎陽輔を「暇人なのか」と批判したことについて、東京ローカルのMX「5時に夢中」が取り上げ、礒崎批判をやった。この番組は極端な政治的意見から離れて、世相を斬るから面白かったのに、残念だ。「スピリチュアリスト」の江原啓之が誹謗してたが、政治ではなくスピリチュルやってろっての。

教授 礒崎補佐官のツイッターは、世界8月号「メディア批評」でも、揶揄されていましたね。

 先生 マツコ・デラックスと村上信五が出る日本テレビ系の「月曜から夜ふかし」は面白いけど、6月22日放送で、岡山県が図書館利用率全国1位だといって、その理由を閉鎖性だと紹介したのはいただけない。岡山県立図書館の凄さを分かってない。蔵書130万冊で、職員の質もいい。みんなが利用したがるのは当たり前。


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教授 日教組のホームページではWEB版「子ども応援便り」というサイトが読めるんですが、有名人がたくさん登場して、メッセージを出しています。最新号は西内まりやでした。その前は桐谷美玲、剛力彩芽が登場します。

編集者 日教組が芸能人を利用しているんですね。

教授 いまの若い人は、日教組も共産党も、どんな団体かよく知らないんですかね。

編集者 選挙権が18歳に拡大するのに、大丈夫でしょうか。

先生 NHKの土曜ドラマ「ちゃんぽん食べたか」は、さだまさしの自伝的作品が原作なんだけど、6月27日の放送で、高校生の主人公が配られるパンを目当てに、安保条約など何かよく分らないまま、反対デモに参加するシーンが出てくる。いまのデモに、そっくり。安保法案を読んだこともないのに参加する若者に、労組のしがらみで駆けつける組合員。パンほしさに行くのと変わらない。収録はかなり前だから偶然かもしれないが、いまのデモに対する皮肉ともとれる。NHKに座布団1枚!

女史 NHKスタッフのブログも面白いよ。「パンGETしたか~!」だって。完全にパン推しなんだよね。確信犯的にやってるのかも。

教授 人はパンのみに生きるんですかね(笑)

先生 さだまさしは長崎県出身だから、「ちゃんぽん食べたか~」と言っているわけ。長崎県にも米軍基地はあるけど反米的ではない。沖縄が反米なのは、基地のせいではなく、やっぱりメディアのせいなんじゃないか。

女史 でも、琉球新報の不動産広告には「軍用地買い取りします」「求む軍用地」とか、たくさん載ってるんだよね。反基地運動の新聞も、軍用地の地権者からたくさん広告料もらってんだよー。

教授 ビジネス反米ですか。

(文中一部敬称略)

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2015.08.16

京大吉田寮老朽化により解体まじか

産経新聞に以下の記事が掲載された。昭和35年、36年とこの寮で生活経験のあるOBとしては感無量の思いである。たまたま吉田寮の後輩達が吉田寮50年記念の文集を編集するということで投稿することにした。併せて掲載しておくことにしよう。

吉田寮の募集停止求める…最古の学生寮「耐震性欠き、命に危険」 京都大


2015年7月30日 11時27分
産経新聞

 京都大は29日、大正年間に建設された現存する日本最古の学生寮とされる吉田寮(京都市左京区)について、耐震性を欠くことなどから寮生の募集停止を求める通知を同寮の自治会に出したことを明らかにした。

 吉田寮は、キャンパス内にある木造2階建て延べ約3800平方メートルの建物で、定員は約150人。大正2(1913)年の建築で老朽化が進んでおり、平成17年度と同24年度の耐震診断で「耐震性を著しく欠く」とされた。京都大は以前から建て替えを検討しているが、寮生の反発もあり結論は出ていない。

 今回の通知は、杉万俊夫副学長名で7月28日付。吉田寮自治会に対し、今年度の秋季から入寮者の募集を行わないこと▽寮生の退寮に伴う欠員補充の募集を行わないこと-の2点を求めている。学生寮をめぐるこうした通知は異例だが、強制力はないという。

 京都大は「今のままでは大地震が発生した場合、寮生の生命が危険にさらされる。学生寮について管理の責任を負う大学として、寮生は新棟に順次転居してもらうことが必要と考えている」としている。以上産経新聞からの転載。


筆者注

次の写真は新しく完成した吉田新寮である。画像と写真の説明は朝日新聞2015.4.21付記事から転写した。
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京都大学吉田寮の新棟(左)。右のイチョウ並木の奥にあるのは築100年を超える現棟=左京区


以下は吉田寮50年記念文集への投稿

元祖同釜会会員の軌跡と「野田のおばちゃん」のこと

同釜会と称する懇親会は日本国内に沢山あるようだ。その意味するところは同じ釜の飯を食った仲間達ということのようであるが、ドウフカイと読ませたりオナカマカイと読ませたりしている。

ところで京都大学の関係で同釜会と称するものが二つある。その一は我が吉田寮(大正2年建設)同釜会でありその二は熊野寮(昭和39.40年建設)同釜会である。

 さて吉田寮同釜会の会員は、昭和33年に京都大学に入学し一年間宇治分校で授業を受けた。学生寮は黄檗山万福寺の近傍に南北二棟の木造二階建ての宇治寮がありここで生活した。二回生に進級すると宇治寮生の過半の者は下阿達町に新設された吉田西寮に移住した。

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 ↑吉田寮西寮の寮生
  
入寮希望者に対する選考面接は学生寄宿舎近衛寮(後に吉田寮と改称)の学生委員により行われた。当時施設管理は大学が行い、寮生活の運営は入寮・退寮の決定を含め寮生の自治に委ねるという不文律が存在したからである。

ところで吉田西寮は木造二階建て南北二棟からなっており京都織物株式会社の女工寮であったものを大学が購入し学生寮に転用したものである。我々が初代入居者となった。宇治分校が昭和36年5月に廃止されるのに備えた措置であった。この西寮は相部屋で六人に対し18畳敷の部屋を階上階下に一室ずつ計二室が貸与された。二階は勉強部屋、一階は寝室に供された。食事は近衛町の寮内食堂で、昼食と夕食が供された。食堂への往還にはアルトハイデルベルグ(末尾記載の歌詞)を高唱しながら歩いたものである。朝食は大学構内の生協食堂で喫食し入浴は銭湯を利用した。

三回生になると近衛町の吉田寮へ移住し二人に8畳の部屋一室が割り当てられた。四回生になると6畳の個室が与えられた。

春が来たかと 吉田のお庭に サーコリャ 
桜散った 散った ステネコシャンシャン
夏が来たかと 吉田のお庭に サーコリャ
蛍飛んだ 飛んだ ステネコシャンシャン
秋が来たかと 吉田のお庭に サーコリャ 
紅葉散った 散った ステネコシャンシャン
冬が来たかと 吉田のお庭に サーコリャ
雪が降った 降った ステネコシャンシャン

 夜も更けてくると廊下が俄かに騒がしくなりパンツ一枚になった酔漢達(中寮のパンツストームが有名であった)が肩を組み上記の歌詞を歌いながら各部屋へコンパ後の挨拶に回ることがある。旧制三高時代の遺風を引き継いだストームである。「友よ、高揚して愉快な今の俺のこの気持ちを共有しようではないか」というのがその心である。寮で同僚と顔を合わせたときには先輩後輩の区別なく「オッス」と言葉を掛け合って挨拶に代えるのも寮の慣習であった。

昭和36年にNHKから放映された「現代の素顔・学生寮・・・・大学における人間性回復の方向」と題する動画を次のURLで見ることができる。当時の学生寮の生活の実態やストームの様子を窺うことが出来る。

https://www.youtube.com/watch?v=p11lC1_h0b4&feature=youtu.be

 吉田寮の生活で忘れることの出来ないヒロインがいる。「おばちゃん」の愛称で寮生達から慈母の如く慕われた寮母の野田もとさんである。昭和15年から昭和36年まで約20年間学生寄宿舎に勤め、この間延べ1200人余りの舎生がお世話になっている。

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 野田さんは昭和14年45歳のとき夫に先立たれ、一人子の長男をも昭和21年に失いその後は殆ど孤独のうちに過ごされた。おばちゃんの在職された時期は激動の時代であり、舎生達の青春の生き証人として学徒出陣、敗戦、食糧難、天皇事件、滝川事件、荒神橋事件、60年安保騒動等のはざまに浮き沈みする舎生達の生活を見守ってこられた。舎友名簿には戦死と記載されている先輩の名も多い。

おばちゃんに初めてお目にかかったのは、吉田寮の事務室へ寮費を納めに立ち寄った昭和34年4月のことであった。「上着を脱いで御覧なさい、ボタンが取れていますよ」と、今では前世期の遺物となってしまった学生服を剥ぎ取り、老眼鏡をかけていそいそとボタンをつけて下さった。その時、慈母に接しているような甘えに似た感情を抱いたことを今でもはっきり思い出すことが出来る。我が子に接するのと変わらない愛情は、数多くの舎友に等しく注がれ舎友達の心の支えとなった。病気の舎生の看護・洗濯、針仕事などの他に、食糧難の時代におばちゃんの自宅に連れて行かれ、手料理を御馳走になり衰弱した体に元気が蘇ったとその想い出を「われ汝を見捨てじ」と題する追悼集に寄せた舎友も多い。

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卒業して何年か後に同窓会を開いて学生時代を懐かしむ舎友の集いの中には必ずおばちゃんが招待されていた。高齢になっても日曜毎に教会へ通うことを楽しみに、一人暮らしを続けるおばちゃんの生活を気遣って、多くの年輩の舎友達が援助の提案をされた。しかし頑張れるだけ頑張って人に迷惑をかけないよう一人で生き抜きたいという強い意志を最後まで貫き通し昭和59年6月に90歳の天寿を全うされた。遺書の一節に「すべてをなし終えたら臨終の床だ。来たれ我が友よ。われ汝を見捨てじ」と記されていた。遺言により自宅をはじめつつましやかな遺産は社会福祉事務所に贈られた。京大医学部には自ら献体されて医学の研究の一助になろうとの意思を示された。おばちゃんの逝去は「90歳で紅燃ゆる丘に眠った京大寮母の生きざま」という題名で同年7月15日のサンデー毎日でも報道された。

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 さて以下は同釜会元祖と僭称する理由である。
 昭和33年入学入寮の寮生達が平成2年7月に文集を発行し、文集の題名を「同釜」とした。爾来、同期寮生の集いは同釜会と呼ぶようになり、隔年毎に京都と東京で懇親会を続けている。また分科会として囲碁部を設け東京・横浜で毎月例会を開き常時10名前後の集まりがあり懇親と情報交換を続けている。

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 我々が吉田寮で生活した同世代の寮生でマスコミに露出頻度の多い寮友には元最高裁判事・泉徳治氏(昭和32年入学)、家庭裁判所判事として酒鬼薔薇聖斗事件を裁いた井垣康弘氏(昭和33年入学)、ニホンザルの生態研究で著名な宮城教育大学名誉教授の伊沢紘生氏(昭和33年入学)がいる。          

以下はアルトハイデルベルグの歌詞

遠き国よりはるばると
熱河の流れ懐かしく
岸に来ませし我が君に
今ぞ捧げんこの春の
いと麗しき花飾り。

いざや入りませ我が家に
されど去ります日のあらば
忘れたもうな若き日の
ハイデルベルグの学び舎の
幸ち多き日の思い出を。      

昭和33年頃の京大生の標準的な服装・・・園遊会にて

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吉田寮内の歌唱愛好会のコールポコチの記念文集に投稿した原稿を見つけたので併せて記録に留めておくことにする。

コールポコチと寮生活の思い出と余生 
    宇治寮、西寮、北寮昭和37年卒。大熊 尭

 「女工哀史」で有名な京都織物の旧女工寮(左京区下阿達町)を大学が買収し昭和34年4月に吉田寮西寮を開設した。筆者はこの西寮の第1期入寮生である。過半の西寮生は宇治寮からの転入であったが新規に西寮に入寮した寮生もいた。

施設管理は大学が行っていたが「自治寮」を標榜していた京都大学学生寄宿舎近衛寮では入寮希望者の選考を寮生である学生の手で行い大学は関与しないという不文律があった。筆者も吉田寮入寮希望者選考委員会の一委員として選考に加わった栄誉を有す。

西寮の開設に伴い近衛寮も呼称を吉田寮と変更し吉田寮には3回生と4回生が生活することになった。西寮には2回生だけが生活した。3回生になると吉田寮に転寮し4回生になると待望の個室が与えられた。部屋備え付けの電熱器は重宝であった。

 西寮では6人の相室で2階に12畳の勉強部屋、1階に12畳の寝室が与えられ6人で
2部屋を使用した。食堂は西寮には設置されていなかったので吉田寮まで食べに通った。

 吉田寮事務室には寮生に慕われた野田のおばちゃんが健在でその謦咳にも触れることができた。おばちゃんが退官されたのは昭和35年であったと記憶する。

 食事に毎日通っているうちにコールポコチという歌う会のあることを知った。「ポコチ」とは何ぞやときくと「ポコチとは本人は真面目に真剣にやっているつもりでも傍からみると何処か抜けていておかしい」という意味だ。と解説してくれる人がいた。生来の音痴を自認している身にとっては多少でも音痴が矯正されるのであればポコチで皆と歌うのも良かろうと判断しコールポコチに入団することにした。

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↑ 1959.11.文化祭に出演後

 何回か練習にも参加し女子団員との合同練習にも参加したことがある。吉田寮の同一構内にある部活用の建物であったか医学部構内の教室であったか記憶は定かでない。

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↑青谷療養所慰安演奏後・カルテットのメンバー 昭和34年10月


 女子部員と合ハイに出かけて楽しかったと述懐する寮友が多いが筆者には合ハイに参加した記憶がない。多分運悪くアルバイトの日程と競合して参加できなかったのであろう。

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↑ 1959.12 クリスマスパーティー 生研会館

 ミレニアム記念で2000年に京都でコールポコチの会合が土曜日に催された時には昭和37年卒寮生の同期会である「同釜会(どうふかい)」が前日の金曜日に開催されたので遠来の参加者に便宜であり初参加した。この時参加者が百名近い大盛会であったことは驚きであり、卒寮以来初めての先輩諸賢や後輩諸君と旧交を温めることが出来たのは嬉しいことであった。

 寮生であった弁護士の守井雄一郎氏が「余生に遊ぶ幸せ論」の中で述べているように人生を三分割して捉えてみれば、
第1期の親の脛を齧りながら愚行を重ねつつコールポコチにも出会いひたすら学んだ時期。

第2期は子孫を残し家族を養う時期であるがこの時期はポコチのことも忘却の彼方へあった。

第3期の全ての柵から解放されて自分のために多くの時間を割ける余生の時期に、忘却の彼方にあったコールポコチが蘇り再び平成20年4月5日コールポコチの皆さんと再会できたことは余生を楽しむ身にとって、日々の思い出に輝かし一齣を付け加えてくれた。幹事各位のご尽力に感謝しつつ筆を置く。


         

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安倍総理の8.14談話に喝采

渡部亮次郎氏から配信されたメルマガに掲載されいる以下の所論に同感である。

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安保法制を考え「小の虫」を殺した
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           杉浦 正章

抗日記念式典に条件付き参加も考慮

ついにあの強気の首相・安倍晋三ですら「お詫び」に言及するに到った。
日本軍国主義の「業(ごう)」がいかに根深いかを物語る。軍部独走の
「悪業(あくごう)」が祟りにたたり、戦後ODA(政府開発援助)を4兆円
積み上げ、技術援助までする「善業(ぜんごう)」を重てもまだ詫びなけ
ればならない。

自民党政調会長・稲田朋美が「未来永劫(えいごう)謝罪するのは違う」
と慨嘆するのも無理からぬものがある。しかし和解へと動くかに見える極
東情勢や佳境に入りつつある安保法制を考えたら、首相・安倍晋三は自ら
の政治信条という小の虫を殺して、大の虫を助けざるを得ないのだろう。
小異を残し大同につくのだ。風圧を耐えるその姿勢には「男の哀感」が漂
うように見える。

確かに過去のお詫びの例を挙げれば、昭和天皇がホワイトハウスの晩餐会
で「私が深く悲しみ(regret)とするあの戦争」に始まって、村山談話も
小泉談話も「私」が主語になっている。

しかし安倍の場合は核心部分に「私」がない。「我が国は、先の大戦にお
ける行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表
明してきました」の主語は我が国。

「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する
手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別
し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」
も「私は・・・と思う」の形態を取らない。

野党や朝日はこれをとらえて難癖を付け始めている。日本のメディアが難
癖を付ければ韓国や中国のメデイアはこれを増幅させる構図が生じつつある。

どうしてこうなったかと言えば、戦後の日本のODAや技術援助に「お詫び
のしるし」という“のし紙”を付け忘れたからだ。狡猾なる周辺諸国はのし
紙が付いていないから天からの当然の贈り物として受け止め、近代国家へ
の脱皮ができたことで日本に感謝することなどあらばこそだ。

日本人は人が良すぎるのであろう。主語がない理由は、安倍が社会党の村
山談話などに同調することを渋る、リラクタントであったことを意味する。

安倍は当初から「侵略の定義はない」「同じものを出すのなら名前だけ書
き換えればよいだけの話になり、談話を出す必要がない」と述べている。

閣議決定をやめて「首相の談話」にしたがったのもリラクタントを物語る
ものであろう。

だからといって朝日が15日の社説で「この談話は出すべきではなかった」
と全面否定し、何でも反対に先祖返りした村山富市が「焦点がぼやけて、
村山談話を引き継いでいない」と左翼教条主義丸出しの批判をするほど無
意味かと言えば全く違う。

冒頭述べたように「あの安倍」ですら「お詫び」の言葉を使わざるを得な
いと言うことは、日本人の大半がお詫びの気持ちを持っているということ
である。

加えて安倍はおわびをしないことが「戦争法案」のレッテル貼りをいよい
よ強めることに思いが到っていたのであろう。談話の中で繰り返し「平和
国家」路線の維持を表明したのも、安保法制への誤解を解く意思が明確に
見られる。

そもそも閣議決定した首相談話に痛切な反省、心からのお詫び、侵略、植
民地支配が入っていることは重く受け止めるべき問題である。

間接的であろうが何であろうが、文字が入っただけでもこの場合重要な意
義を持つのだ。こともあろうに被害者の外国ではなく国内から次から次に
要求拡大の声が出るのは、政権揺さぶりという魂胆が透けて見えるのであ
り、外交問題を自らの闘争の手段とするような卑しさが丸見えではないか。

朝日も、毎日も、東京も日本の新聞なら、他国のメディアを煽るような態
度を取るべきではあるまい。
安倍の選択はオーストラリアの盟友、首相・
アボットが歓迎の意を表明し、インドネシア外務省までがNHKに「痛切な
反省を尊重し敬意を示す」ともろ手を挙げて歓迎しているではないか。
「常識ある国」では十分通用する表現なのだ。

中国も、メディアは朝日などにつられて厳しい対応をしているが、共産党
政権は歴史認識追及はそろそろ打ち止めにしたい感じが出ている。バブル
が弾けて、日本からの投資が激減していることを何とか是正したいという
のが本音だろう。

3月の全人代も「70周年を和解の年にする」との方向を打ち出している。
中国国家主席・習近平も安倍との2回目の会談で、「9月3日の抗日戦争
勝利記念日でも、今の日本を批判する気はない」と述べ、安倍を記念行事
に招待した。

安倍は9月3日前後の会談を検討しているが、14日のNHK番組で「行事が
反日的なものではなく、融和的な行事になることが前提ではないかなと思
う。3回4回と回を重ねて行きたい」と発言、条件次第では3日の記念日
でも訪中する意向をほのめかしている。

ロシア、韓国以外では、ろくな国が参加しない式典が一挙に盛り上がり、
習近平のメンツは立ちすぎるほど立つ。恩を売るにはもってこいだ。

さらに安倍は10月にもあると予想されている「日中韓3国首脳会談につな
げてゆきたい」とも述べた。朴槿恵がどう出るかは未知数だ。

例によって悪意丸出しの韓国メディア報道の影響を受けるか、無視して朴
自身の活路を切り開くかの選択を迫られているのが実態だろう。今こそ中
韓両国も安倍と同様に小の虫を殺して大局を選択すべき時だろう。

朴が安倍の陳謝にもかかわらずさらなる要求を拡大するなら、もう勝手に
すればよい。極東の小国がひたすら孤立化の道を歩むことになるだけで、
朴は何も打開できない大統領のままその任期を終えることになる。


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2015.08.15

沖縄は悲劇の島なのか?

そこまで言って委員会のテレビ番組で「沖縄は悲劇の島なのか?」と題する討論会を視聴した。沖縄米軍普天間基地の辺野古移転問題が紛糾している現在、何が問題なのかを理解するのには好個の番組であった。出演者の中の三人が沖縄出身ということもあって白熱の討論がなされた。沖縄出身者の感情的な被害者意識が赤裸々に表出された。沖縄処分から始まって米軍統治を経て日本へ復帰するまでの「沖縄の悲劇」が史実を交えて俎上にあがり考えさせられるところが多かった。以下のURLで白熱の討論を視ることが出来る。

https://www.youtube.com/watch?v=sbTbkw7cakE

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2015.08.14

新国立競技場問題についての「そこまで言って委員会」の議論

新国立競技場が東京オリンピック2020までにスムーズに建設できるか否か関心のあるところだが、「そこまで言って委員会」の討論は非常に判りやすいし面白い。以下のURLで見ることが出来る。見たくもない広告をスキップできるところが自慢。

https://www.youtube.com/watch?v=2roDHA0PTXg

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大東亜戦争の裏面史

終戦記念日に太平洋戦争についての勉強をしようとウェブサーフィンをしていて次のURLを発見した。
討論番組であるが諸氏の解説を聞き蒙を開かれた。https://www.youtube.com/watch?v=JuPlYk8ITeE

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2015.08.13

経済・司法・外交“逆噴射状態”中国の脅威 集団的自衛権法整備に反対するのは媚中派の反日的確信犯か

以下は全て産経新聞からの転載である。

【日本千思万考】
経済・司法・外交“逆噴射状態”中国の脅威 集団的自衛権法整備に反対するのは媚中派の反日的確信犯か

忘れ去られた安全保障の理念

 目下新安保法案が国民の耳目を集めて喧騒を極めておりますが、国会での議論もマスメディアの報道内容も、その過半は焦点をずらせた空理空論に打ち過ぎており、「わが国民の安全保障の根幹に関わる“外敵の無謀な領土・領海侵略を未然に防ぐ抑止力”を確保する」という本題から軌道を外していることを危惧するものです。

 元来、国家・国民の安全保障の理念とは、2度の大戦を経た世界の万国が共有する「個別的自衛権および集団的自衛権の保有」という大前提にあって、そもそも憲法以前の問題であると考えるのが万国の良識であります。にもかかわらず、なぜか、わが日本国だけが特に憲法論を持ち出して、違憲だ、合憲だと騒ぎ立てるのは極めて奇異な現象です。

 特に、学者・学説の表層的解釈にすぎない憲法の一部条項のみにこだわる恣意的な論議が、さも多数決を抗う(?)がごとく、野党とマスコミによって大展開されていることには、違和感を覚え理解に苦しみます。学説が多数決に左右されるとしたなら、ガリレオの地動説もアダムスミスの国富論もこの世に生き永らえることはなかったでしょう。憲法と自衛を論じるなら、基本理念、国際比較、国連憲章との関連性など多層的、多面的観点を反映させる総括的な視座に立つべきではないでしょうか。


今そこに迫る危機 国際的な安保機密情報の共有と防衛戦略が急がれる

 戦後のわが国が、機密情報機能を喪失し、国土・国民に関して無防備だったせいで、北方領土四島はソ連(現ロシア)の占拠(国際法違反)を放置し、同じく竹島は韓国に掠め取られたままとなっています。

また、北朝鮮の工作部隊による拉致行為に、何ら手を打つこともなく、数十名(未確認分も含めると数百名)にものぼる多数の被害者を生んでしまいました。さらに、ここへ来て中国による領土領海侵略のあざとい侵略劇がアジア東南全域におよび、わが国にも迫りつつある事態、すなわち尖閣諸島接近のみならず、小笠原諸島サンゴ礁海域や、東シナ海の日中中間線をまたいだガス田開発工事に見せかけた軍事施設設営の拡大(最近一部ながらようやく報道されたところでは、弾道ミサイルの追跡線が認められ、ヘリ離発着可能な複数の巨大なリグと開発基地が多数確認されました)を目の当たりにするなど、わが国の危機が迫っていることを、国民皆が今こそ知るべきであり、平和ボケの眠りから目を覚ますべき時なのです。

 核を持たないわが国周辺には、ロシア、中国など((北朝鮮も?)、核武装諸国が取り巻いております。これまで手枷、足枷を掛けられたままの集団的自衛権の法整備を急ぎ、日米安保の強化拡充のみならず、太平洋のANZUS、SEATOや大西洋のNATO等の集団的安全保障強化、すなわち国際的な安保機密情報の共有と防衛戦略は急務でしょう。

 すでに、渡航日本人の観光客や軍事ジャーナリスト、ビジネスマンや文化活動家が、中東、アフリカ、欧州、アジアなどで殺害されるなど、あまたの憤死を含む多大の犠牲を強いられております。わが国民の一割強の千数百万人が職務や観光で常時海外に出ていることを思い起こせば、国際テロや局地戦闘に巻き込まれぬよう、安保情報を密にして、対策手段を講ずべきでしょう。

また、北朝鮮の工作部隊による拉致行為に、何ら手を打つこともなく、数十名(未確認分も含めると数百名)にものぼる多数の被害者を生んでしまいました。さらに、ここへ来て中国による領土領海侵略のあざとい侵略劇がアジア東南全域におよび、わが国にも迫りつつある事態、すなわち尖閣諸島接近のみならず、小笠原諸島サンゴ礁海域や、東シナ海の日中中間線をまたいだガス田開発工事に見せかけた軍事施設設営の拡大(最近一部ながらようやく報道されたところでは、弾道ミサイルの追跡線が認められ、ヘリ離発着可能な複数の巨大なリグと開発基地が多数確認されました)を目の当たりにするなど、わが国の危機が迫っていることを、国民皆が今こそ知るべきであり、平和ボケの眠りから目を覚ますべき時なのです。

 核を持たないわが国周辺には、ロシア、中国など((北朝鮮も?)、核武装諸国が取り巻いております。これまで手枷、足枷を掛けられたままの集団的自衛権の法整備を急ぎ、日米安保の強化拡充のみならず、太平洋のANZUS、SEATOや大西洋のNATO等の集団的安全保障強化、すなわち国際的な安保機密情報の共有と防衛戦略は急務でしょう。

 すでに、渡航日本人の観光客や軍事ジャーナリスト、ビジネスマンや文化活動家が、中東、アフリカ、欧州、アジアなどで殺害されるなど、あまたの憤死を含む多大の犠牲を強いられております。わが国民の一割強の千数百万人が職務や観光で常時海外に出ていることを思い起こせば、国際テロや局地戦闘に巻き込まれぬよう、安保情報を密にして、対策手段を講ずべきでしょう。


各国諜報機関から“仲間外れ”になっている日本

 21世紀型の異質で新しい国際危機への対応は、国家国民を挙げての国家機構の総合的補強、自衛隊による防衛体制改革と強化(ハード・ソフト両面での強化拡充、予算化)を避けて通れません。特に外地のテロ活動に関する情報や、外敵の軍事機密、特に秘匿された侵略行為や工作、表裏両面のプロパガンダなどに関する裏情報収集力は、戦後日本最大の弱点で、実力部隊も諜報能力も持たない外務省領事局は、各国のインテリジェンス機関からは事実上、機密情報の交信面で仲間外れになっていることは、最悪の事態であると自覚・自戒すべきなのです。

 インテリジェンス機関とは、米国のCIA、英国のM16(映画でお馴染みの007がその活動の一環)ドイツのBND、フランスのDGSEや中国の公安部、ロシアのSVR(旧ソ連のKGB)イスラエルのモサドのような政府首長直属の諜報収集を行う国家機関です。明治日本には「特務機関」があり、日露戦争の勝利に大きく寄与した明石元二郎や児玉源太郎といったプロの国際情報官が任務を遂行していました。

 わが国も首相直属の国際情報官制度を創設し、内閣情報局、防衛省の陸海空佐、外務省書記官等を通じた三位一体の諜報機関を稼働させ、“飛耳長目”(地獄耳・千里眼の情報通で、遠近を問わず観察・洞察眼の鋭いプロ間諜)人材の早期育成を図るとともに、諸外国との機密情報交換の仲間入りを講じるべきであると提言する次第です。


集団的自衛権が中国への抑止力に

 現中国指導部の習近平政権の行動指針は、ここへ来て、経済も司法も外交も逆噴射状態にあり、体制危機をにおわせております。特に軍事活動の海洋領域拡大と軍用基地設営の強権発動ぶりは常軌を逸し、国際法を無視し、警告や勧告に聞く耳を持たない軍事戦略遂行と軍政高官の強気一点張りの発言ぶりからして、日本にとっても最大の脅威と捉えておくべきでしょう。

人民解放軍のA2AD軍事戦略(接近阻止・領域拒否)は明らかに米国をアジア太平洋から排除し、一方で中国海軍、空軍の軍事拠点を増強することで、米中パワーシフトを狙ったもので、中華思想に基づく「力で国際秩序を転換させるプランの実行」こそ、その本音なのです。

 こうした重要影響緊急事態・存立危機事態を深刻且つ真面目に理解さえすれば、集団的自衛権の法的整備に闇雲に反対する非常識な日本人は、平和ボケと言うよりも、敢えて勘ぐれば、親中・媚中派の反日的確信犯ではなかろうかと思える次第です。

 チベット、内モンゴル、ウイグルなどを次々と奪取してきた陸の忍者中国が、今や海の忍者と化して、フィリピン、ベトナム、そして日本の海域や島嶼を手中にせんとする現下の活動は最大の脅威以外の何ものでもありません。集団的自衛権の発想こそ、まさに「中国の越権的海洋支配戦略の断行に対する抑止力」なのです。

 本来“抑止力”とは、「攻撃や強奪をしたら倍返しされる」と相手に思わせることですから、日米安保の相互補完的防衛体制に、オーストラリアやインドが加入すれば鬼に金棒ですし、アジア太平洋のみならず地球儀的なNATOとの連携も強めれば、中国、北朝鮮のみならず、ロシアへの抑止力も期待できるのです。全世界的平和安全法制の整備とあわせて、さらに重要となるのが、互いに機密保持と情報共有が得られる「国際的諜報ネットワークの完備」でしょう。


機密情報垂れ流しの愚 「知る権利」にも“例外”あり

 ここまで情報収集力の重要性に関して例証を含みながら長々と述べてきましたが、最後にもう一つ重要にして不可避なる「情報の漏洩防止・機密保持」の大切さにも触れておきます。

特に安保・防衛に関して、わが国の政治もジャーナリズムもあまりにも無知蒙昧というか、無防備に情報を垂れ流していることで、どれほど国益を損ね、外敵を利しているかに、もっと留意していただきたいと思います。

 国会で自衛隊が有事や平時に「できること、できないこと」を、事細やかに論議しているすべてをマスコミが網羅し公開していますが、こんな国は他にありません。敵性国にとって、この種の情報は、マスメディアから安易に得られるべき代物ではないはずなのに、わが国の愚かなジャーナリズムは、これを馬鹿正直に全世界へ向けて万事垂れ流しているのが現状です。

 こと防衛に関しては、国内はもちろん、安保同盟国との委細折衝合意事項は、重要機密事項でなければなりません。今後集団的自衛権法制を進化させ、同盟国間の情報の出入りが拡大すれば、当然遵守すべき最大の義務が、「機密維持」にあることを、まず与野党とも戦略として自覚し、国会中継や政治家や官僚の記者会見の内容にも、さらなる歯止めを掛けておくべきでしょう。結果、「守られるべきはわが国民及び同盟諸国で、困るのは敵性国」であるのは自明の理です。

特に安保・防衛に関して、わが国の政治もジャーナリズムもあまりにも無知蒙昧というか、無防備に情報を垂れ流していることで、どれほど国益を損ね、外敵を利しているかに、もっと留意していただきたいと思います。

 国会で自衛隊が有事や平時に「できること、できないこと」を、事細やかに論議しているすべてをマスコミが網羅し公開していますが、こんな国は他にありません。敵性国にとって、この種の情報は、マスメディアから安易に得られるべき代物ではないはずなのに、わが国の愚かなジャーナリズムは、これを馬鹿正直に全世界へ向けて万事垂れ流しているのが現状です。

 こと防衛に関しては、国内はもちろん、安保同盟国との委細折衝合意事項は、重要機密事項でなければなりません。今後集団的自衛権法制を進化させ、同盟国間の情報の出入りが拡大すれば、当然遵守すべき最大の義務が、「機密維持」にあることを、まず与野党とも戦略として自覚し、国会中継や政治家や官僚の記者会見の内容にも、さらなる歯止めを掛けておくべきでしょう。結果、「守られるべきはわが国民及び同盟諸国で、困るのは敵性国」であるのは自明の理です。


 従って、“機密情報力を高める”とは、国会の論議・採決や、マスコミ報道を通じて、国民さえも知らされない「ブラックボックス」が有り得ることとなり、そうして初めて、わが国の防衛・自衛が確保されるということなのです。国民の「知る権利」にもこうした“例外”が存することを、日本人全体がもっと賢くなって、理解すべきだと思量致します。   (上田和男)   =随時掲載します


 ◇

【プロフィル】上田和男(こうだ・かずお) 昭和14(1939)年、兵庫県淡路島生まれ。37年、慶応大経済学部卒業後、住友金属工業(鋼管部門)に入社。米シラキュース経営大学院(MBA)に留学後、45年に大手電子部品メーカー、TDKに転職。米国支社総支配人としてカセット世界一達成に貢献し、57年、同社の米ウォールストリート上場を支援した。その後、ジョンソン常務などを経て、平成8(1996)年カナダへ亘り、住宅製造販売会社の社長を勤め、25年7月に引退、帰国。現在、コンサルティング会社、EKKの特別顧問。

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2015.08.04

【朝日新聞慰安婦誤報取り消しから1年】

産経新聞に掲載された記事を転載し記録に留めると共に今後の展開を注視していきたい。

【朝日新聞慰安婦誤報取り消しから1年】
元朝日記者・植村隆氏にインタビュー 「テープ聞いたの一度だけで記事書いた」


 朝日新聞が自社の慰安婦報道に関する記事の一部の誤報を認め、関連記事を取り消してから5日で1年となる。初期の朝日の慰安婦報道に関わった植村隆元記者(北星学園大非常勤講師)が、初めて産経新聞のインタビューに応じた。

 朝日新聞は昨年8月5日付の特集記事で、「韓国女性を強制連行して慰安婦にした」と証言した唯一の日本側証人、自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の証言を虚偽だと判断し、関連記事16本を取り消した(後に2本追加)。国家総動員法に基づき工場などで働いた「女子挺身隊」と「慰安婦」を混同した報道を繰り返したことも認めた。だが、謝罪はしなかった。

 特集記事は、元韓国人慰安婦の女性について「女子挺身隊の名で戦場に連行」と事実と異なる報道をした元朝日新聞記者、植村隆氏の記事については、「意図的な事実のねじ曲げなどはありません」と結論付けた。


こうした姿勢に、朝日が設置した第三者委員会(中込秀樹委員長)も、昨年12月公表の報告書で朝日の検証記事について「自己弁護の姿勢が目立ち、謙虚な反省の態度も示されず、何を言わんとするのか分かりにくい」と厳しく批判した。

 この朝日新聞の第三者委による報告書も、批判の対象となった。

 朝日の慰安婦報道を独自検証した「独立検証委員会」(中西輝政委員長)は今年2月、朝日の第三者委報告書についてこう問題点を突いた。

 「国際社会に与えた影響を分析する部分では見解をまとめられず不十分」

 その上で独立検証委は、平成3~4年の吉田虚偽証言、女子挺身隊の誤用、あやふやな元慰安婦証言、20万人強制連行説を広めた軍関与を示す文書発見と続く一連の朝日報道を次のように結論づけた。

 「数々の虚偽報道を行い、結果として、『日本軍が女子挺身隊の名で朝鮮人女性を慰安婦にするために強制連行した』という事実無根のプロパガンダを内外に拡散した」

 朝日が、宮沢喜一首相(当時)の訪韓直前の4年1月11日、朝刊1面トップで「慰安所 軍関与示す資料」の見出しで掲載した記事は、朝日の第三者委も「慰安婦問題が政治課題となるよう企図して記事としたことは明らか」と分析。独立検証委は、「韓国紙が慰安婦問題を集中的に取り上げるのは、4年1月からだ」と指摘した。

 独立検証委の副委員長を務めた西岡力・東京基督教大教授はこう断言する。

 「虚偽の加害者(吉田氏)証言に加えて、虚偽の被害者証言も書き立てた。それによって『女子挺身隊として強制連行』という虚構が作り上げられ、国際社会に広まった。その責任を朝日が認め、検証しない限り、反省したとは到底言えない」

 7月30日に産経新聞のインタビューに応じた元朝日記者、植村隆氏は3年8月11日付朝日朝刊社会面(大阪本社版)で、元韓国人慰安婦だと初めて名乗り出た金学順氏(記事では匿名)の証言を署名入りで韓国メディアに先んじて報じた。昨年春に退社し、札幌市の北星学園大学の非常勤講師を務めるが、記事をめぐって、大学や家族らへの脅迫が続いたため今年1月、過去に記事を批判してきた西岡氏らを名誉毀損で訴えた。

 「事実は本人が女子挺身隊の名で連行されたのではないのに、『女子挺身隊』と『連行』という言葉の持つ一般的なイメージから、強制的に連行されたという印象を与える」「安易かつ不用意な記載であり、読者の誤解を招く」

 3年8月11日の植村氏の記事について、朝日の第三者委報告書はこう断じた。

 植村氏は記事で「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』」のうちの一人だと金氏を紹介した。

 産経新聞の取材に対し、植村氏はこの記事は韓国挺身隊問題対策協議会で一度だけ聞かせてもらったテープをもとに同会から背景説明などを受けて書いたと説明。テープについて「僕は持っていない」と語った。テープを聞いた時点では、女性の名前は知らされなかったという。「女子挺身隊」という言葉が出てきたかどうかに関しては「定かじゃない」と答えた。

 だが、記事が出た直後、金氏の経歴をめぐる異なる事実関係が明らかになる。

 金氏は3日後の14日に実名を明かしてソウルで記者会見を開いた。翌15日、韓国紙ハンギョレは「母親によって14歳の時に平壌のキーセン(妓生)の検番に売られ、検番の養父に連れられていった」と報じた。

 金氏らが12月に東京地裁に起こした賠償訴訟の訴状も、金氏の経歴に関し「養父に連れられて中国へ渡った」とあり、「挺身隊の名で連行された」と記載していない。

 朝日新聞は昨年8月の検証記事で、金氏が挺身隊の名で連行されたかどうかについては見解を示さなかった。その後、「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」との「おことわり」をデータベース上に追記。事実上、誤報を認めた。

 植村氏は第三者委の指摘について「強制的に連行されたような印象を与えるということだが、印象ではなく『強制連行』(という表現)で伝えているメディアがあることにも触れてほしかった」と語った。「植村が捏造記者じゃないことが報告書からも分かる。そこを強調したい」とした。


. 朝日の第三者委報告書は同じ3年中、植村氏が金氏について書いたもう一つの署名記事も取り上げた。12月25日付朝日新聞大阪本社版の「日本政府を提訴した元従軍慰安婦・金学順さん」の記事だ。

 この記事は1カ月前の11月25日、植村氏が高木健一弁護士らによる金氏へのヒアリングに同行した際に録音したテープを基に書いたものだが、金氏が12月6日に起こした賠償訴訟の訴状にも記載されたキーセン歴が書かれていなかった。

 独立検証委は「金さんが、吉田清治が主張していた女子挺身隊の名で強制連行された被害者であるかのような錯覚を作り出すのに、大きな役割を果たした」との見解を示す。

 また、植村氏の韓国人の義母は当時、金氏らを原告とする賠償訴訟を支援した太平洋戦争犠牲者遺族会の幹部だった。植村氏は「結婚する前からずっと、この問題を取材してきた。別に家族のために書いたわけじゃない」と述べた。


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2015.08.01

安保法案・ヒゲ隊長質疑詳報

安保改定質疑についてヒゲ隊長の説明を記録として留めておくことにした。以下は全て産経新聞からの転写である。


【安保法案・ヒゲ隊長質疑詳報(1)】

「プラカードより法案掲げろ!」


 集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案は28日、参院平和安全法制特別委員会で実質審議がスタートした。「ヒゲの隊長」として知られる自民党の佐藤正久元防衛政務官が質問のトップバッターとなり、元自衛官の経験を生かし法案の必要性について政府の答弁を引き出した。やりとりの詳細を紹介する。
          

 佐藤正久氏「日本を取り巻く環境が厳しくなったとの認識は、多くの政党が共有している。であれば、厳しくなった環境から、日本国民のリスクを下げるため自衛隊に動いてもらうことが必要だ。そのための法律を整備するのは政府だけの責任ではない。われわれ国会議員が国民の代表として、与野党関係なく、いかに国民のリスクを下げるか、そのために自衛隊にいかに動いてもらうかの法案を出すべきだ。プラカードを掲げるのではなく、法案を掲げてしっかり議論すべきだと思うが、首相の考えは」

 安倍晋三首相「国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくことは政治家にとって最も大切な責務だ。本来、与党も野党もない。わが国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しており、情勢をしっかりと分析・評価し、国民の命と平和な暮らしと領土、領海、領空を守り抜くため、砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何かをとことん考えぬいていく責任がある。衆院では維新の党が対案を提出し、議論がかみ合った。野党にも対案や独自案を提出していただき、安全保障に関する法律は、できる限り一致点を見いだす努力を重ねていくことが政治家に課せられた責務だ」


 佐藤氏「法律がなければ自衛隊は動けない。法律がなければ訓練もできない。法律ができたからといって、すぐ結果を出せるわけではない。自衛隊はスーパーマンではない。自衛隊にしっかり結果を出してもらうためリードタイムをとって法律を整備することも大事な仕事だ。隊員の訓練という観点から法案成立の必要性について答弁を求めたい」

 首相「自衛隊の活動では訓練も含めて法的根拠をあらかじめ明確にしておくことが必要だ。法的根拠を明確にすることで、平素より各国と連携した訓練や演習などを可能とすることができる。法的根拠を定めておくことは極めて重要だ。例えば日本近隣で武力攻撃が発生し、わが国への武力攻撃が発生したとは認定されないが、公海上で米艦がミサイル攻撃を受けた場合、日本の艦船が米艦船を守ることができるとなれば、日頃からそのような事態を想定して訓練や運用上の協力をすることができる」

 「しかし、日米間でも現場で相互協力を深め、訓練を重ね、十分な連携態勢をとることは一朝一夕にはできない。あらゆる事態に対処するための十分な準備を行うためにも、一日も早い平和安全法制の整備が不可欠だ。そのことで切れ目のない対応が可能となる」

 佐藤氏「安全保障環境がどれだけ厳しくなったか、われわれの認識と、国民の認識にギャップがある。どういうことが日本周辺や世界で起きているかについて議論を進めたい。まずロシアだ。ロシアは昨年、クリミア半島を併合した。力による現状変更といって過言ではない。ウクライナはクリミアを施政下においているが、ウクライナはNATOの一員か」

 岸田文雄外相「ウクライナはNATOには加盟していない」
.

 佐藤氏「加盟していないので米国や英国、フランスの集団的自衛権の対象ではない。国連もロシアが常任理事国の1カ国だから実際に動くことはできなかった。結果的にロシアにクリミアを編入された。そして、ロシアがクリミア編入に動いているとき、中国はベトナム沖で石油探査を行っていた。掘削機の周りでは漁船や巡視船などが警備し、軍艦も出たという報道もあった。ベトナムが抗議しても力が違うのではね返される。相手が中国だから国連も動けなかった。ベトナムが助けてほしいといっても集団的自衛権の対象国がない。南シナ海での岩礁埋め立ても、このベトナム沖での石油掘削での(国際社会の)対応を見てから始まったという見方もある」

 「中国には『戦略辺境』という考え方がある。国力に応じて国境は変わるものだと。第2次世界大戦の後、西はチベットに武力侵攻し自治区にした。西北でウイグルを自治区にした。北で内蒙古も自治区にした。今度は海軍力がついたこともあってか、南シナ海、東シナ海にまた進出の動きがある。ベトナムからフランス軍がいなくなったら西沙諸島に武力侵攻して半分を占領した。米国がベトナムから撤退したら残りの西沙諸島の半分に侵攻した。ベトナムのカムラン湾からソ連がいなくなったら、ベトナムが領有していた南シナ海の6つの岩礁を占領し、フィリピンから米国がいなくなったら南沙諸島のミスチーフをとった。まさに力の空白に応じてどんどん侵攻していった。さらに中国は先の防衛白書で方針転換を表明した。陸軍重視から海軍重視、海軍を近海から遠洋を含む複合型へ、空軍を領空防護型から攻防兼務型に変えた。この動きをどう見るか」


 中谷元防衛相「中国は1950年代から70年代にかけ西沙諸島へ、80年代以降は南沙諸島へ、力の空白を突く形で南シナ海全域に進出してきている。近年は南沙諸島における急速かつ大規模な埋め立て活動を強行するなど、海洋進出をより活発化させている。こうした中国の軍事的動向の背景には、自国防衛のほか、領有権主張の強化、海洋権益の獲得、海上輸送路の保護などの目標があると考えられる。中国はより遠方の海空域における作戦遂行能力の構築に努めつつ、今後とも海洋活動のいっそうの拡大、活発化を進めていくと考える」

 佐藤氏「人ごとではない。中国は南シナ海の7つの岩礁を埋め立てているが、ファイアリークロス礁には3000メートル級の滑走路がみてとれる。ほとんど滑走路、誘導路が完成している。近くの別な岩礁も埋め立てし、すでに軍艦も寄港する動きがある。今後、中国が南シナ海に防空識別圈を設定する可能性も否定できない。南シナ海で中国の航空優勢・海上優勢が図られた場合、日本の安全保障にも大きな影響があるのではないか」

 中谷氏「中国は現在埋め立て中の地形について軍事利用を認めると公言しており、今後、港湾、滑走路、レーダーなどの軍事施設を建設していく可能性がある。軍事施設が建設された場合、一般論として言えば、海警や海軍、空軍のプレゼンスを増大させる可能性があり、南シナ海の安定的利用に対するリスクが増大しかねない。わが国への安全保障への影響は否定できない。『A2AD(接近拒否・接続拒否)』というが、マラッカ海峡などのチョークポイントを経由した米軍などの南シナ海への接近を阻止し、行動の自由を制限することで、中国の海空軍の南シナ海から西太平洋への進出を容易にする効果、つまり接続拒否が生じる可能性がある」

 佐藤氏「中国は防空識別区を公海上に設定している。入ってくる際は事前に通報せよ、通報がなければ軍事的措置も辞さないとして、あたかも領空のような主張をしている。今までは中国本土から遠いためレーダーが届かなかった。ところが、今回のガス田は防空識別圈の真ん中に、日中中間線を逆利用する形で、西側のほうに乱立している。軍事利用の可能性は」

 中谷氏「中国は海洋権益の獲得等を目的に東シナ海で海洋プラットホームの設置など、石油や天然ガスの採掘に関する活動を継続している。中国側がその軍事利用を表明しているわけではないが一般論で言えば、レーダー配備の可能性、ヘリパッドをヘリ等の展開のために利用する可能性が考えられる。政府としては警戒監視活動に万全を期し、今後の情報収集などに支障を来さない範囲で、公表できるものについては公表していく」

半島有事なら数十万人が日本へ避難」

 佐藤正久氏「尖閣諸島に一番近いヘリポートはガス田で、距離は300キロしかない。那覇までも360キロ、佐世保までも580キロしかない。非常に近いところに海洋基地がどんどんできている。この現実を人ごとではなく、自分のこととして考えないといけない。なぜ中国がどんどん南西諸島や沖縄にプレッシャーをかけているか。中国の艦隊は青島や寧波から太平洋に出る際、南西諸島が邪魔になる。南西諸島、台湾、フィリピンを結ぶ線が第一列島線だ。伊豆諸島、小笠原、マリアナ諸島を結ぶのが第二列島線だ。第一列島線の内側の南シナ海、東シナ海は米国の艦艇などを入れず、第一・第二列島線の間で迎え撃つ方針のもと、どんどん南西諸島にプレッシャーをかけながら、沖縄を抜けて太平洋での訓練、年々、増加している傾向がある」

 「一番怖いのは潜水艦だ。船の下で魚雷を爆発すれば船体がたわむ、その反動で船体は逆に折れて真っ二つになる。韓国の哨戒艦が潜水艇の魚雷一発で真っ二つにされ、46人が亡くなった。その潜水艦、水上艦艇、航空機が南西諸島やバシー海峡を抜け、どんどん活動を活発化させている。南シナ海を潜水艦の聖域とし、潜水艦からミサイルを発射する動きも出てきている」

 「尖閣諸島を行政区に持つ石垣市議会が7月14日、平和安全法制の今国会での成立を求める意見書を可決した。日本の最前線で、中国等の領海侵犯を受けている石垣市議会の意見だが、所見は」


 安倍晋三首相「残念ながら、南シナ海で中国は大規模な埋め立てを行っている。東シナ海ガス田の問題も、2008年の合意が守られていない。同時に尖閣の領海に公船が何回も侵入している状況の中で、石垣市の皆さんは最も日本の南西に位置している街なので、その地理的性質上、わが国の安全保障環境の変化を日々、肌で感じているのだろう。石垣市の意見を真摯(しんし)に受け止める必要がある。永田町では感じえない肌感覚の危機感を持っているのだろう」

 「こうした安全保障環境の大きな変化の中で、日本もわが国のみで自国を守りきることはできない。わが国独自に守っていく気持ちは必要だが、しっかりとした同盟関係を機能させることで抑止力を強化し戦争を防ぐ。力による現状変更は行うことはできないと相手方に理解させつつ、平和的な発展をお互いに進めていくことが重要ではないか。つまり平和的発展の道に方針を変更するよう促していくことも大切だ。そのためにもしっかりと備える。切れ目のない平和安全法制を整備する。日米同盟が揺るぎないものだと内外に示すことで、この海域も含めてわが国の平和と安全を守り抜いていくことができると確信している」

 「日米同盟はわが国の安全保障の基軸だ。駐留する米軍のプレゼンスは不測の事態に対する抑止力としても機能している。わが国の平和と安全を確保していくためには、平時、グレーゾーン、集団的自衛権に関するものも含め、あらゆる事態に切れ目なく日米が一層、協力して対応てきるようにしておく必要がある。平和安全法制が整備されれば平素から米艦などの防護を行うことが可能になり、自衛隊と米軍の連携した警戒態勢などの強化につながる」

 「重要影響事態では米軍により充実した支援を行うことが可能となる。存立危機事態では自衛隊と米軍の一層緊密な協力が可能となる。平素より幅広い種類の訓練や演習を実施できるようになる。さまざまな危機に対する日米の共同対処能力は飛躍的に向上する。日本が危険にさらされたときには、日米同盟は完全に機能するようになると言ってもいい。そのことを世界に発信することで紛争を未然に防止する力、すなわち抑止力はさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていく」

 佐藤氏「朝鮮半島もこの数年で環境が変わった。朝鮮戦争はまだ終わっていない。終戦ではなく休戦だ。休戦状態のまま、正規兵だけで北朝鮮が約145万、韓国が約65万、にらみ合っている状態で、その間に国連軍が割って入っている状態だ。朝鮮戦争の国連軍の後方司令部は横田基地にあり、7つの在日米軍基地に後方基地としての機能があるため、国連旗が日米の国旗とともに立っている。これが現実だ。日本政府と朝鮮戦争の国連軍との地位協定がある。国連軍が立ち上がった場合に便宜を図る協定がある。朝鮮戦争の国連軍は何カ国で、どのような国々か」

 岸田文雄外相「朝鮮国連軍は1950年、朝鮮戦争勃発時に創設され、1953年、休戦協定発効後に逐次撤退を行ったが、現在でも朝鮮半島の平和と安全の保持のため、韓国に司令部を、日本に後方司令部を配置している。締約国は現在12カ国ある。わが国のほか、米国、豪州、英国、カナダ、フランス、イタリア、トルコ、ニュージーランド、フィリピン、タイ、南アフリカ。以上12カ国だ」
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 佐藤氏「国連軍がまた動く場合、地位協定に基づき日本政府も便宜を図らないといけないし、彼らも朝鮮半島に来る義務も責務もあると考える。そういう状態を考えながら今回の法整備を行わないといけない。今、韓国にはどれくらいの数の邦人がいるか」

 岸田氏「長期的に滞在している在留邦人は約3万7000人だと承知している。旅行者や出張者などの短期旅行者数は時期により変動はあるが、平均的には約1万9000人程度だ。合計すると5万6000人程度と見積もられる」

 佐藤氏「約5万6000人の邦人がいる。邦人以上にフィリピンやベトナムの人がいる。米国人もいる。何かあれば民間人を含め、第三国の人が避難する先は、ほとんどが日本だ。数十万人が日本のほうに来る。そういうことを前提に、邦人の安全を確保し、場合によっては国連軍と連携して対応することが求められることを理解しないといけない」

 「北朝鮮は日本を射程に入れる数百発の弾道ミサイルを保有している。ノドン、ムスダンといわれるが、1300キロの射程だと考えると韓国用ではなく日本用だとの見方がある。韓国用ならもっと射程の短いスカッドで十分だという話もある。昨年3月、北朝鮮は初めてノドンを西海岸から東海岸方面に発射した。今までは東海岸から東か、西海岸から南へ撃っていたものを、今度は西から東、自分の頭の上を飛ばした。間違いなく精度と自信が向上している。そういうミサイルを北朝鮮が持っている事実がある」
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「そのミサイルから日本人をいかに守るか。発射される前にそれをたたけばいいが、実際に日本を射程に入れるノドンは車載式だ。事前に車が動いて、ミサイルを立てて撃つので、発射前にたたくことはかなり難しい。山岳地帯もあれば、森林もある。日本国民を守るには撃たれてからたたくしかない。その場合に最も有効なのはイージス艦だといわれているが、日本の(ミサイル防衛システムを搭載した)イージス艦は現在4隻しかない。うち1、2隻は整備に入っているので、3隻ないとカバーできないときは、日米で連携する必要がある。さらに二重、三重の盾にするのが望ましい。当然の話だ」

 「まさに日本と米国が連携し、平時から有事まで互いに守り合う態勢をとることが抑止力につながる。たミサイルが日本に着弾する前、日本国民の命を守るためには、国際法上は集団的自衛権の行使と言わざるを得ない場合もある。平時からグレーゾーン、有事まで切れ目なく連携することが非常に大事で、それを可能にするのが今回の法制だ。ミサイル防衛について今回の法制にかける思いは」

 首相「政府が『必要な自衛のための措置の中に集団的自衛権は含まれない』という考え方を示した昭和47年、あの時代には北朝鮮は弾道ミサイルを保持しておらず、核開発も行っていなかった。ミサイル防衛では、北朝鮮がミサイルを発射すれば、海上ではイージス艦からミサイルを発射し、上空で撃ち落とすという仕組みになっている。米国の衛星からの情報をもとに、イージス艦がデータリンクをしながら落とす。日米共同で情報を収集・分析し、軌道を計算しながら対処できることになっている。その一角が崩されると、例えば米艦が攻撃を受けることにより、日本のミサイル防衛に穴が空いていくことにもなる。その米艦を守るのはわが国を守るための集団的自衛権に当たる。かつての解釈を行った40年前にはなかった状況が出現し、その必要性にもわれわれは直面している」

 「ミサイルに『ピストル』は非現実的…」


 佐藤正久氏「朝鮮半島有事の具体例で、邦人輸送、重要影響事態、存立危機事態の3パターンに分け、事態の進行ごとに、今まで何ができなかったのか、今回の法案で何ができるのか。議論したい。数十万の民間人を輸送する場合もある。日本だけでなく、いろんな国々が協力をして行う。民間の輸送力も軍事的な手段も使う。大変な輸送オペレーションになる」

 「まず平時だ。A国とB国で緊張が高まる。爆弾テロがB国でどんどん起きる。相互の非難が起き、緊張が高まっていく。邦人を含む民間人が日本に避難してくる。このときはまだ民間の輸送力が主体だ。そういう時、今回の法律ができることで何がやりやすくなるのか」

 中谷元防衛相「現行法では自衛隊の航空機、船舶、車両を用いて在外邦人などの輸送を行うことは可能だが、輸送に限られており、武器使用権限も自己保存型に限定されている。今回の法改正で在外邦人らの保護措置を新たに設け、任務遂行型の武器使用権限を付与する。これによって一定の場合には輸送だけでなく、警護や救出も可能となる」

 佐藤氏「次に重要影響事態だ。A国からB国への武力攻撃が切迫している。B国で何者かによる爆弾テロがさらに頻発する。一部、A国からB国に対し、休戦協定違反のような銃撃や砲撃がある。民間輸送もだんだん難しくなる。実際、私がイラクに派遣されたも、日本の航空会社は組合などの反対もあり使えなかった。そういうときに多くの国々が連携し、民間人を輸送するオペレーションが始まる。今回の法改正で何ができるようになるのか」

中谷氏「重要影響事態に関し、今般の周辺事態法改正では米軍以外の外国軍隊などにも後方支援活動が行うことができるようにしている。自衛隊が活動する地域をわが国領域などに限ってもいない。このため、例えば民間人を輸送する他国軍の艦艇などが重要影響事態に対処している場合には、公海上での補給などの支援が可能になる。改正後の自衛隊法第95条の要件を満たす場合には、自衛隊と連携して当該活動に従事している米軍などの部隊の武器などを、武力攻撃に至らない侵害から防護することも可能となる。在外邦人らの輸送や保護措置は要件を満たす場合、重要影響事態でも行うことが可能だ」

 佐藤氏「民間人を守るため国際社会が連携しているときに、お互い動きやすくなる。例えば、米国のヘリが邦人を乗せ、海上自衛隊の艦艇の甲板に降りる。その際、今までできなかった米国のヘリに対する給油や整備支援もできる。場所は戦闘が起きていない現場だ」

 「さらに事態が進み、存立危機事態となったとする。A国からB国への武力攻撃が発生し、わが国にとっても非常に影響がある場合だ。休戦協定は破棄され在韓米軍への攻撃も始まった。そういう場合での民間人の輸送は、軍用機や軍艦でないと難しい。法制で何ができるようになるか」

 中谷氏「存立危機事態が認定された場合は、例えば取り残された邦人を運んでいる米艦をはじめ、事態の拡大防止、早期収拾のため活動している米艦の防護などの措置も、新3要件に該当する場合には実施することが可能となる」

【安保法案・ヒゲ隊長質疑詳報(3)】

 佐藤正久氏「朝鮮半島有事の具体例で、邦人輸送、重要影響事態、存立危機事態の3パターンに分け、事態の進行ごとに、今まで何ができなかったのか、今回の法案で何ができるのか。議論したい。数十万の民間人を輸送する場合もある。日本だけでなく、いろんな国々が協力をして行う。民間の輸送力も軍事的な手段も使う。大変な輸送オペレーションになる」

 「まず平時だ。A国とB国で緊張が高まる。爆弾テロがB国でどんどん起きる。相互の非難が起き、緊張が高まっていく。邦人を含む民間人が日本に避難してくる。このときはまだ民間の輸送力が主体だ。そういう時、今回の法律ができることで何がやりやすくなるのか」

 中谷元防衛相「現行法では自衛隊の航空機、船舶、車両を用いて在外邦人などの輸送を行うことは可能だが、輸送に限られており、武器使用権限も自己保存型に限定されている。今回の法改正で在外邦人らの保護措置を新たに設け、任務遂行型の武器使用権限を付与する。これによって一定の場合には輸送だけでなく、警護や救出も可能となる」

 佐藤氏「次に重要影響事態だ。A国からB国への武力攻撃が切迫している。B国で何者かによる爆弾テロがさらに頻発する。一部、A国からB国に対し、休戦協定違反のような銃撃や砲撃がある。民間輸送もだんだん難しくなる。実際、私がイラクに派遣されたも、日本の航空会社は組合などの反対もあり使えなかった。そういうときに多くの国々が連携し、民間人を輸送するオペレーションが始まる。今回の法改正で何ができるようになるのか」

 中谷氏「重要影響事態に関し、今般の周辺事態法改正では米軍以外の外国軍隊などにも後方支援活動が行うことができるようにしている。自衛隊が活動する地域をわが国領域などに限ってもいない。このため、例えば民間人を輸送する他国軍の艦艇などが重要影響事態に対処している場合には、公海上での補給などの支援が可能になる。改正後の自衛隊法第95条の要件を満たす場合には、自衛隊と連携して当該活動に従事している米軍などの部隊の武器などを、武力攻撃に至らない侵害から防護することも可能となる。在外邦人らの輸送や保護措置は要件を満たす場合、重要影響事態でも行うことが可能だ」

 佐藤氏「民間人を守るため国際社会が連携しているときに、お互い動きやすくなる。例えば、米国のヘリが邦人を乗せ、海上自衛隊の艦艇の甲板に降りる。その際、今までできなかった米国のヘリに対する給油や整備支援もできる。場所は戦闘が起きていない現場だ」
 「さらに事態が進み、存立危機事態となったとする。A国からB国への武力攻撃が発生し、わが国にとっても非常に影響がある場合だ。休戦協定は破棄され在韓米軍への攻撃も始まった。そういう場合での民間人の輸送は、軍用機や軍艦でないと難しい。法制で何ができるようになるか」

 中谷氏「存立危機事態が認定された場合は、例えば取り残された邦人を運んでいる米艦をはじめ、事態の拡大防止、早期収拾のため活動している米艦の防護などの措置も、新3要件に該当する場合には実施することが可能となる

 佐藤氏「弾道ミサイル対処でも事例を議論したい。弾道ミサイルを警戒中の米軍の艦艇の防護で、平時、重要影響事態、存立危機事態と、何ができるようになったのか議論したい。まず平時だ。緊張状態が高まってくる段階ではどうか」

 中谷氏「今までは警戒監視の強化しかできなかった。平時で緊張感が高まっている状況では、弾道ミサイルへの警戒を含む情報収集、警戒監視活動を自衛隊が米軍と連携して行うということが想定される。今回の法改正により、米軍などからの要請を受け、防衛相が必要と認めた場合には、自衛隊と連携して当該活動に従事している米軍部隊の武器などを武力攻撃に至らない侵害から防護することや、平素における米軍への物品、役務の提供を実施することが可能となる。自衛隊と米軍などが連携した警戒監視態勢の強化につながり、状況に応じたより実効的な対応が可能となる」

 佐藤氏「重要影響事態。さらに緊張が高まったときはどうか」

 中谷氏「従来は米軍以外の他国軍への物品、役務の提供はできず、防護もできなかった。今回の周辺事態法の改正により、例えば弾道ミサイルの警戒監視等を行う他国軍の艦艇などが重要影響事態に対処しているといえる場合、公海上で補給などの支援を行うことが可能となる。要件を満たす場合には、平素から引き続き、自衛隊と連携して弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視活動に従事している米軍を武力攻撃に至らない侵害から防護することも可能になる」

 佐藤氏「今までは米国のイージス艦に海上自衛隊が給油する場合、わざわざミサイル警戒を解き、日本の領海に戻ってもらわないとできなかった。これからはミサイル警戒を公海中で実施中のイージス艦に対し、海上自衛隊が公海上で給油できるようになる。さらに事態が進み、存立危機事態になったとき、何ができるようになるのか」

 中谷氏「現在は個別自衛権しか認められていない。状況が悪化して存立危機事態が認定される場合では、例えば弾道ミサイル警戒にあたっている米艦をはじめ、事態の拡大防止や早期収拾のために活動している米艦の防護などを、新3要件に該当する場合は実施することが可能となる」

 佐藤氏「今までできなかったことが可能になる。要は日本人の命を守るためだ。他方、このような朝鮮半島などの近隣有事で『集団的自衛権の行使は必要なく、周辺事態法に基づき、日本領海内での補給支援だけでいい』とか、『警察権に基づく権限で米艦防護をやればいい』という意見も一部にはある。しかし相手の武力攻撃に警察権で対応するのは、まさにミサイルにピストルで立ち向かうという感じだ。極めて非現実的な考えだと思うが、所見は」

 安倍晋三首相「わが国の近隣で武力紛争が発生し、米国も武力攻撃を受けている状況下で、警察活動として防護を行うことは、まさにピストルでミサイルに立ち向かうようなもので、現実的には実施困難だ。海上警備行動といった警察活動は、警察官職務執行法に基づく権限しか行使できない。あくまで犯罪など不法行為への対応を主目的とした仕組みだ。自衛隊員は十分な権限を与えられず、不法な武力攻撃に身をさらすことになり、隊員の生命を不必要なリスクにさらすことになる。それにもかかわらず日本人の命を守る目的を達成することは困難となる。合理性のある適切な対応とは考えられない。そもそも、米国が武力紛争の当事者となっている場合、米艦を防護するのは外形上、武力の行使と評価されるおそれがある」

 佐藤氏「次に、事態が乱立してわかりにくいという議論がある。重要影響事態、存立危機事態は、ともに日本への武力攻撃がまだ発生していないが、日本に影響がある事態という観点では同じだ。日本への影響度がより大きいものが存立危機事態だとの見方もできる。存立危機事態は重要影響事態に包含されるといわれるが、こういう理解でよいか」

 中谷氏「その通りだ。重要影響事態はわが国の平和および安全に重要な影響を及ぼす事態であり、存立危機事態はわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態だ。存立危機事態は概念上は重要影響事態に包含される。存立危機事態は、重要影響事態との比較において、より重大かつ深刻な事態であるということは言うまでもない」

 佐藤氏「次に存立危機事態と武力攻撃事態等だ。武力攻撃事態等には、日本に対する武力攻撃の切迫度合いから『武力攻撃予測事態』『武力攻撃切迫事態』『武力攻撃事態』がある。存立危機事態と評価観点が違うが、国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるという根本では共通の概念だ。要は両方に該当する場合が多いと説明されているが、この考え方で間違いないか」

 中谷氏「武力攻撃事態は存立危機事態と異なる観点から評価される概念であり、ある状況において、それぞれの観点から評価した結果、いずれの事態にも該当することがあり得る。現実の安全保障環境を踏まえれば、存立危機事態に該当する状況は、同時に武力攻撃事態等にも該当することが多いと考えられる。一方、存立危機事態に認定される場合が、同時にわが国に対する武力攻撃が予測、切迫していると認められないこともある」


 佐藤氏「まさに重なる場合が多い。(例外的に)はみでる一つの例が、ホルムズ海峡での機雷掃海という場合があり得るという理解でよいか」

 中谷氏「実際にどのような場合がありえるかは、事態の個別具体的な状況に即して全ての情報を総合的に判断し、客観的合理的に判断するものであり、一概に答えることはできない。しかし、あえて言えば、ホルムズ海峡で機雷が敷設される事例は、存立危機事態に該当しても武力攻撃事態等には該当しない場合として想定されるケースだ」

 佐藤氏「武力攻撃事態等は『予測事態』『切迫事態』『武力攻撃事態』に分かれている。一方で、存立危機事態は、予測事態と切迫事態の間で起こる『ケース1』と、切迫事態と行為発生の間で起きる『ケース2』の場合がある。ケース1,2はどういう場合が該当するか」

 中谷氏「現実の安全保障の環境を踏まえれば、存立危機事態に該当するような状況は、同時に武力攻撃事態等にも該当する場合が多いと考えられ、一概に答えることは困難だ。しかし『ケース2』についてあえて言えば、わが国近隣で武力紛争が発生し、米国も武力攻撃を受けている。その時点では、まだわが国に対する武力攻撃は発生したとは認定されないが、攻撃国はわが国も射程にとらえる相当数の弾道ミサイルを保有しており、『東京を火の海にする』などの言動から、わが国にも武力攻撃の発生が差し迫っている状況にある。こうした場合は、わが国に対する武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると客観的に認められるような場合になっていることもありうる。同時に、弾道ミサイル発射の兆候がある中で、米艦が警戒にあたっており、米艦を防護しなければならない場合は、こうした状況を総合的に勘案して存立危機事態を認定する場合もありうる」
【安保法案・ヒゲ隊長質疑詳報(4)】

シーレーン防衛、逃げれば「臆病者」

 佐藤正久氏「ホルムズ海峡について議論したい。ホルムズ海峡を含めた日本のオイルシーレーン、日本の油の8割、天然ガスの約25%がペルシャ湾から日本に来ている。1日約60万トンの油が来なければ日本の工業製品も生活も維持できないといわれている。日本の油はペルシャ湾に依存しており、一番狭い部分がホルムズ海峡だ。日本関連船舶だけでも年間、4000隻が通っており、もっともホルムズ海峡を使っているのは日本だ」

 「イランは2012年にEU制裁に対抗してホルムズ海峡を機雷封鎖するという法案も提出した。仮にホルムズ海峡が封鎖されたら一番影響を受けるのは日本だといわれている。おそらく株価は大幅に下がり、物価にも深刻な影響が出て、冬場は灯油の高騰も予想される。備蓄は半年分だけで、液化天然ガスは備蓄も困難だ。備蓄を放出する動きがでれば株価はさらに暴落し、状況によっては経済や国民生活に深刻かつ死活的な影響が出ることも予想される。他方、日本の機雷掃海技術は世界トップクラスといわれている。湾岸戦争終了後のペルシャ湾での掃海実績の評価はどうだったか」

 中谷元防衛相「平成3年、防衛庁は機雷除去のために海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾に派遣した。同年6月5日から9月11日まで活動し、計34個の機雷を処分して10月に帰国した。海上自衛隊の活動はペルシャ湾の船舶航行の安全確保などに寄与することで、国際社会におけるわが国の平和的、人道的な貢献策の1つとして大きな意義があったもので、湾岸諸国や欧米諸国をはじめとする国際社会の高い評価を得たものだと承知している」

 佐藤氏「私がイラクに派遣されていた2004年4月、ペルシャ湾でタンカー『高鈴』が被弾した。日本関連の船舶だ。若干へこんだが乗組員は全員無事だった。守ってくれたのは米国だった。日本タンカーを守るため、結果として米海軍の若者2人とコーストガード1人が命を落とした。彼らにも奥さんや小さな子供がおられた。しかし、その時米国が日本に言ってくれた言葉は『同じ活動をやっている仲間を助けるのは当たり前だ』だった。海上自衛隊がインド洋で給油支援を行い、陸上自衛隊や航空自衛隊がイラク、クウェートで汗を流していたことを指して、そう言ってくれた」

 「残念ながら、今から8年前の選挙で衆参ねじれが発生し、法案の継続ができなくなり、海上自衛隊は一時、活動を中断して日本に帰ってきた。その途端、現場ではいろんなことを言われた。『なぜ米国の若者が日本の油を守るために命を落とさないといけないんだ』と。英国のフィナンシャル・タイムズには『これは武士道ではない。日本は臆病者だ』との一面広告もあった。当時、民主党の小沢一郎代表は、給油支援は憲法違反だとして法律延長を認めなかった。新たな法律を出し直し、衆院の3分の2の再可決を経て、再び海上自衛隊にインド洋で給油支援をやってもらった」

 「その際、私も横須賀に出港の見送りにいった。多くの政治家やマスコミ、ご父兄もいた。派遣される司令官は『憲法違反といわれたわれわれにも意地と誇りがある。日本国民の代表としてしっかり汗を流してくる』という趣旨の発言をした。与野党多くの議員がいた。その言葉に涙した議員も与野党関係なくいた。日本が一番ホルムズ海峡を使っている。世界トップクラスの掃海技術があるのに、本当に日本は、国際社会が共同して掃海しようとするとき何もしなくていいのか。私は日本も汗をかく必要があると思うが、所見は」

 岸田文雄外相「ホルムズ海峡はわが国のエネルギー安全保障上、たいへん重要な輸送経路だ。そのホルムズ海峡に関し、今回の法制の新3要件の第1要件が満たされる場合、つまり、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の一環としてホルムズ海峡に機雷が敷設され、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合であれば、当然、わが国はその事態に対処するため、あらゆる努力を行うことになる。機雷掃海は広い海域を各国が協力して実施するのが通例だ。湾岸戦争の際も各国が協力し、ピーク時で約30隻の掃海艇が約7カ月かけて掃海作業を行った。海上自衛隊は機雷処理の高い能力と実績を有しているので、そもそも、わが国の存立が脅かされる事態が生起している以上、わが国が各国と協力して機雷掃海にあたることは当然、考えられる」

 佐藤氏「日本も国際社会の一員だ。国際社会が共同で危機に対処しようというとき、できないことは無理だが、できるなら汗をかくのは当然だ。一方で、機雷掃海は危険も伴う。砲弾が落ちている状況では通常、機雷掃海は行わないが、停戦前であっても安全が確保されている状況なら掃海することはあろうかと思う。例えばイラン北部で散発的に戦闘が起きており、停戦前であっても、ホルムズ海峡には砲弾が飛んでこない状況なら、機雷掃海することは可能だと思うが、どうか」

 中谷氏「機雷掃海は非常に攻撃に脆弱(ぜいじゃく)で、戦闘が現に継続しているような現場では困難だ。また、実際に掃海活動が行われるか否かについては個別具体的な状況に即して判断する必要がある。そのうえで言えば、防衛省・自衛隊は現在、掃海艇27隻から構成される世界有数規模の掃海部隊を有している。平成3年に機雷の掃海を行ったが、浅瀬で流れの速い、非常に掃海が困難な、残された機雷を除去したということで、世界各国から技術的にも高い評価を得た。この後も平成23年からペルシャ湾で開催される多国間の掃海訓練に参加している。そもそも海上自衛隊の掃海部隊は、わが国への武力攻撃が発生している状況で敷設された機雷を除去するために整備しているものであり、敵から大きな損害を受けることなく作戦を遂行できる状態であれば掃海を実施することは可能だ」

 佐藤氏「ホルムズ海峡は日本にとっても非常に重要な海峡だ。共同で掃海する場合、新3要件に合致すれば、隊員の安全性にも留意しつつ機雷掃海できるようにしておくことが必要だと思うが、見解は」

 安倍晋三首相「例えばわが国周囲に機雷が敷設されれば物資の輸入がストップする。国民生活に死活的な影響が出ると考えられるわけだが、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合にも、これとかなり近い死活的な影響が及ぶことがありうる。その中において、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生を前提として、例えば石油などのエネルギー源供給が滞ることにより単なる経済的影響にとどまらず、生活物資の不足や電力不足によるライフラインの途絶が起こる。国民生活に死活的な影響、冬場などで石油ガスが途絶える状況が発生すれば、国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響が生じる可能性を全く否定するわけにはいかない」

 「そうしたことを総合的に評価し、ホルムズ海峡での機雷敷設を契機として、状況によっては存立危機事態に該当することもありうる。新3要件に当てはまる場合もありうるということだ。その場合には自衛隊の安全性に十分留意しつつ、機雷掃海を行うことができるようにしておく必要がある。いずれにせよ掃海は事柄の性格上、戦闘行為が行われている海域そのもので行うのは困難だ。そういう点を十分に考慮しながら行っていくということになる」

 佐藤正久氏「今回の法案で自衛隊の活動領域や新たな任務が増える。自衛隊の任務でリスクを伴わないものはないが、リスクがあるからといって何もしなくていいということではない。国家・国民のリスクを下げるために自衛隊にリスクを負ってもらうなら、そのリスクを小さくすると同時に、そのリスクを負ってもらう自衛隊に名誉と処遇を与えるのも政治の責任だ。最高指揮官としての考えを」

 安倍晋三首相「自衛隊員の使命は国民の命と平和な暮らしを守ることであり、国民のリスクを下げることだ。そのためにこそ自衛隊員は自らリスクを負うことになる。このため自衛隊員の任務はこれまでも常にリスクを伴うものだ。わが国有事における任務は文字通り命がけのものとなる。隊員にとっては極限に近いリスクの中で国を守ることになる。災害派遣も警察や消防では手に負えなくなったから自衛隊員が出動するわけであり、危険をはらむものだ。平和安全法制の整備によって、新たに付与される任務にもこれまで同様、リスクがある。われわれはこのようなリスクについて深刻に受け止めており、あらゆる手段でリスク低減を図っている。今後も法制、教育訓練、実際の派遣に至るあらゆる面でリスク低減の取り組みを行う」

 「それでも自衛隊員のリスクは残る。しかし、それは国民の命と平和な暮らしを守るためであり、自衛隊員に負ってもらうリスクだ。彼らが高い士気と誇りをもって任務を遂行できるよう、安倍政権で新たに策定した防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画では、栄典や礼遇に関する施策を推進すると明記している。昨年は元統幕会議議長に対して瑞宝大綬章が授与されたところで、叙勲も適切な運用に努めているところだ。万が一、隊員が死亡した際の補償や賞じゅつ金などの制度も充実してきた」

 佐藤氏「自衛隊員はリスクはある程度あるのは承知の上だ。しかしリスクを負う以上、名誉にこだわる。生前叙勲の問題だが、実は自衛隊の幹部の主力となっている『B幹部』、部内からたたき上げで幹部になった方がいる。C幹部とB幹部、入隊時は同じだ。努力して幹部登用の試験を受け、早く幹部になった方がB幹部だ。ただ、B幹部の叙勲は実は2%しかいない。C幹部は95%だ。今回、多くのOBも現役自衛官も、B幹部を含め、名誉という部分についても国会で議論を深めてほしいという要望がある」

 中谷元・防衛相「自衛隊員は本当に意識が高く規律を厳正にしており、常に国を守る使命感のもとに訓練を積んでいる。部内を通じて幹部になった方は非常に意識の面で強固なものを持っているし、任務遂行上も大変、貢献している。こういったB級幹部の処遇も、これからも心がけて取り組みたい」

 佐藤氏「隊員の賞じゅつ金の話をしたい。私が派遣されたゴラン高原のときは6000万円、イラクの場合は9000万円というように、金額が異なる。今派遣されている南スーダンは6000万円だ。一方で、消防隊員が殉職された場合は9000万円だ。公のために犠牲になった場合、公務での死亡という場合に、危険度において違うのは分かるが、イラクの場合は9000万円で、南スーダンの場合は6000万円というのはどうか。消防と同じくらいのレベルに上げるべきではないか」

 中谷氏「賞じゅつ金については、地方公務員である消防官や警察官の最高授与学が、国からのほか、都道府県、市町村の賞じゅつ金が授与され、最高授与額が9000万円になる例があると承知している。自衛隊員の賞じゅつ金の最高授与額は原則として6000万円であり、個々の職務の困難性、危険性などを踏まえ、海賊対処行動および原子力災害派遣については最高授与額を9000万円に増額する措置を行った。今後も自衛隊員に対しては、任務にふさわしい名誉と処遇が与えられるよう、不断に検討していきたい」

 佐藤氏「後方支援について議論したい。現行の『非戦闘地域』は武力行使との一体化を避けるため作った法律上の整理の概念だ。まさに活動開始から終了までの間、戦闘が起きないといわれる場所が非戦闘地域であり、そういう中から、実際に自衛隊が活動する実施区域を設定するのが従来の考え方だ。非戦闘地域という概念は現場の感覚から言っても分かりにくい。最初から最後まで、活動期間を通じて戦闘が起きないというのは、派遣前には政治家も現場指揮官も分からない。今回、新たな法的整理では、『現に戦闘が起きている現場』では行わず、それ以外の地域から選ぶ。今回は法的整理をしただけだ。大事なことは、どこで自衛隊が何をするかだ。どこを実施区域に選ぶかが、自衛官のリスクを議論するときの根本だ。活動の円滑さや任務遂行の容易性、安全性を考えながら実施区域を選ぶと言っている。もう一度、説明を」

首相「今までの非戦闘地域という区分の仕方は、武力行使と一体化しないという憲法の要請による概念だ。イラクのサマーワでも非戦闘地域という指定をした。半年間にわたり、自衛隊がいる間は戦闘が行われない地域だという考え方だったが、実は、その期間でも実際に危険なところもあれば、ずっとそうでないところもある。つまり『現に戦闘が行われていない現場』、例えば2週間、自衛隊がそこで活動するなら、そこは2週間は戦闘現場にならないという判断をする方がより現実的だという整理をしたところだ」

 佐藤氏「例えばイラクで航空自衛隊が輸送支援をした。Aというクウェートの空港からBというイラクの空港までは空自が運ぶ。そこから先は米国が自分の兵站部隊でC、D、Eという地域に運ぶ。一般論から言って、それぞれの部隊の責任地域が重なることはない。指揮統制の問題があるので責任区域を明確に区切る。あるポイントから自分の現場までは自分の部隊が運ぶ。これは自衛隊が日本有事の作戦で行う場合も同じだ。『兵站だから危ない』というのはあまりにも乱暴な議論だ。実施区域をどこに設定するかが大事なポイントで、実施区域を戦闘が行われる現場のすぐ近くで行うように言うのは乱暴だ。実施区域の設定の考え方について答弁を」

 中谷氏「実施区域は防衛大臣が円滑かつ安全に活動しうる場所を指定するとなっている。実際、自衛隊が活動を実施する区域の指定にあたっては、今現在、戦闘行為が行われていないというだけではなくて、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為がないと見込まれる場所を指定するということであり、攻撃を受けない安全な場所で活動を行うことについては、いわゆる非戦闘地域等の概念を設けていた従来と変更はないが、どこが違うかというと、常にその場所を確認して安全な区域であるかどうかを判断して区域を指定するというところで、より厳密に安全に対する配慮がされるというところだ」

 佐藤氏「日本が米国の戦争に巻き込まれるという誤解がある。しかし、日米防衛協力の指針(ガイドライン)には、日米の合意事項として、新3要件に基づき集団的自衛権を行使する際にはこういう条件で、国際協力のときは日本が主権国として主体的に判断するなどと、厳密に明記されている。多くの国民は知らないかもしれないが、今回の集団的自衛権も限定的なものしか行わず、米国まで行って米国を守ることはしないと日米で合意している。日本は米国の戦争に巻き込まれることはないと明言してほしい」

 首相「ガイドラインには、日本が武力を行使するのは日本国民を守るためだと書き込んである。これは日米共通の認識だ。また、政府の判断に加え、実際に武力行使を行うため自衛隊に防衛出動を命じる際は国会の承認を求めることになる。また、国際平和支援法においても自衛隊派遣にあたっては、わが国として法律で定められた要件や手続きに従い、国益に照らして主体的に判断するし、例外なき国会の事前承認が必要だ。法制の成立後も行政府と立法府が法に基づいて主体的に判断を行うため、米国の戦争に巻き込まれることは決してない。国会が例外なき関与をしていくということで、主体性が完全に確立されているということは申し上げておきたい」
=(完)

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