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2015.09.08

自民党総裁選と安保改定問題の判りやすい解説

以下は全て渡部亮次郎氏より配信されたメルマガからの転載である。


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“平成の乱”を目指した「野田正雪」
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 杉浦 正章

「正義」を唱え「大義」を忘れる

度し難い女を古典落語で「怒れば泣く。ほめておだてりゃつけあがる。
いっそ殺せば化けて出る」と表現しているが、聖子ちゃんをこんな風に表
現してはいけない、女性団体から怒られる。言うなら講談の「平成の女正
雪」であろう。

由井正雪は3代将軍家光亡き後徳川幕藩体制を覆そうとクーデターを謀っ
た。さしずめ参謀の丸橋忠弥が古賀誠だ。

歌舞伎の名場面で丸橋は江戸城のお堀に石を投げて深さを測ったが、どう
も古賀丸橋は老化現象か「ゴボゴボ」という音が長く続いたのに聞こえ
ず、聖子正雪に「浅いから大丈夫」とけしかけた。

これに乗った聖子は、自らの行為が「政局化」そのものであることを知っ
てか知らずか挙兵しようとした。しかし、結局は安倍の捕り方に囲まれ自
刃してあえない最期となったのだ。

大手紙は20人取れるかも知れないからびびって朝刊で断定していないが、
仮令総裁選推薦人の数が集まっても、あえない最期になる構図なのだが、
結局小泉純一郎以来14年ぶりの無投票再選になるだろう。

政権サイドがうまいのは、安保法案を軸に脅しをかけたことだろう。「野
党が自民党総裁選で決着が付くまで審議ストップに出る」という情報を流
したのだ。これで自民党内は引き締まった。

「安保の印籠」を見せられては、一致団結をせざるを得ない。党内7派は
全てが安倍支持を決め、古賀丸橋が最高顧問の岸田派も懸命の締め付けに
出た。

岸田文雄も禅譲狙いなのか、将来は安倍と戦うであろう石破茂とは対照的
に、安倍大明神をあがめることしきりなのだ。

安倍は将来的には佐藤栄作が田中角栄と福田赳夫を競わせたように、石破
と岸田を競わせれば安泰となるのだが、今は利口だからそんなことはおく
びにも出さない。

一方で、野党は総裁選で審議ストップなどは考えたこともなく、だしに使
われたとカチンときたに違いない。民主、維新共に、否定に懸命。見え透
いているのは否定すれば、正雪が出やすくなり、揺さぶるのならその上で
という魂胆があるのだ。

毎日によれば代表・松野頼久が北海道釧路市での講演で「野田さんが推薦
人集めに苦労している。(自民内で)『野党が安保の審議に出て来なくな
る』と切り崩しているという話がある。我々はそういうことであれば審議
に出る」と野田正雪をけしかけた。

民主の政調会長・細野豪志も「安保法制の議論は、我々はしっかりやって
いく」とやはり野田出馬に呼び水を向けた。

野田は論語を引いて、「義を見てせざるは勇なきなり」と発言したが、い
かにもちぐはぐで訴求力に欠ける発言だ。正義と知りながらそれをしない
のは勇気がないのと同じだというのだが、古くさく女には珍しい表現だか
ら、丸橋に教わったのかもしれない。

それでは野田の正義とは何か。もともと野田は昨年7月1日の集団的自衛
権の行使閣議決定にも反対論を雑誌で表明しており、古賀も共産党機関
誌・しんぶん赤旗が絶賛しているほどの安保法制反対論者だ。いまや反安
倍老人の巣窟(そうくつ)であるTBSの時事放談でも、安倍という名前が
出れば条件反射的に批判を繰り返している。

野田は正義を言うなら、総裁選挙に立候補する理由を述べなければならな
い。理由を述べずに、ひたすら選挙そのものの実施の必用を唱えても説得
力はない。

まるで小泉純一郎が3回も総裁選に挑戦して、数をこなして成功したか
ら、それを猿まねしようとしているとしか思えない。野田は9月3日の北
京の軍事パレードを見たのだろうか。

「平和降臨」とばかりに何もしないで平和が実現した時代は去った。民
主、共産とこれにだまされているデモ隊が「戦争法案」を言うのなら、習
近平の露骨なる「戦争パレード」は今そこにある危機ではないのか。

野田は安保反対の立場でいながら、衆院での採決に賛成票を投じたのは
「正義」を貫いたからなのか。「義を見てせざる」を言うなら「大義」は
どうでもよいのか。答えられまい。だから平成の由井正雪なのだ。

いずれにせよ、野田正雪は老獪(かい)なる隠者の甘言に乗って、政治の
道を誤った。安保法制という大義を見落とし、私利私欲に走った候補とし
て、自ら首相候補としての道を閉ざしたのである。


       
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子息の安全を案ずる自衛隊員の父へ
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           櫻井よしこ

平和安全法案を「戦争法案」と決めつけ、法案反対を唱え続ける人々がい
る。私には全く理解できない。むしろ平和安全法案は、戦争を防ぐための
ものであり、その意味で戦争抑止法案に他ならない。

社民・共産両党や一部メディアが自衛隊に関する政策や法案について、実
態とは正反対の非難キャンペーンを張ることはこれまでにもあった。彼ら
は23年前の国連平和維持活動(PKO)協力法成立のときも、日本が侵略
国になると批判した。

しかし、23年間の自衛隊の実績は国際社会で高く評価され、野党及びマス
コミの批判は的外れだった。今回も同様であろう。

彼らの主張が余りにもひどいので、私は彼らとは正反対の立場から、法案
の内容を事実に沿って見詰め、国際情勢の激しい変化を認識し、平和安全
法制の早期成立を求めるために、多くの人に呼びかけて国民フォーラムを
設立した。

平和安全法制の早期実現こそ日本国民を守り、戦争を抑止するとの認識を
共有した学者、有識者、経済界の人々は318人に上り、うち約90人が同席
して8月13日、憲政記念館で記者会見も行っ
た。

すると、私のホームページには賛否両論の意見が殺到した。その中に「昨
年自衛隊に入った息子の父親」という人物からのメールもあった。趣旨は
以下のとおりだ。

〈中越地震などに際して、身を粉にして人々を守り……人命救助に徹する自
衛隊員姿に憧れて、息子は入隊した。しかし、今回の安保法制で自衛隊員
の活動 範囲が広がり、死のリスクが高まるのは明白だ。これ以上息子を
自衛隊に置きたくな い。父親として毎日心配している〉

子息の無事を願う父親の心情が窺われる。この気持ちは自衛隊員の子息を
もつ他の多くの父や母、或いは小さな子供を持つ若い親たちも共有してい
るかもしれ ない。

そこで右の内容について考えてみたい。まず問題を2つに分けて考えるこ
とが 大事だろう。日本国民と国の安全と、自衛隊員の安全である。

戦争を抑止する法案

前者については少し長くなるが、大別して4つの柱を考えればよいと、元
統幕議長西元徹也氏は指摘する。Aグレーゾーン、B重要影響事態、C国
際平和協 力活動、D集団的自衛権の部分行使、である。

Aのグレーゾーンは、平時と有事の間の防護体制の隙間が広すぎる問題
だ。現在、自衛隊は組織的、計画的攻撃に対してでなければ防衛出動が許
されない。た とえば多数の中国の漁船が尖閣諸島に押し寄せた場合、漁
船員らが武装もしておら ず、粛々と上陸すれば、自衛隊は手を出せな
い。海上保安庁を助ける形で中国人の上陸 を防ぐこともできない。

自衛隊が対処できるのは、中国側が明らかに事前に組織し、計画し、武装
して攻めてくるときである。そうではなく、漁船が「たまたま」大挙して
押し寄せる 場合などには、自衛隊は何もできないのだ。これでは日本防
衛は不可能だ。そこで今 回、海保に代わって自衛隊が動けるよう、電話
閣議で迅速に海上警備行動を発令でき るようにした。

国民も国も守り切れない防護の穴が多数あり、敵対勢力の侵略に打つ手が
ない現状をこのようにして変え、改善するのが今回の法制である。

Bの重要影響事態は朝鮮半島を考えればわかり易い。朝鮮半島有事が勃発
し、事態が収拾できなければ、わが国も危険に晒される。危険を防ぐため
に、米韓同 盟に基づいて行動する米軍への補給を効率的に行えるように
した。

米軍への物品、役務の提供は現在、日本の領域でのみ許されており、その
都度、日本の領域に引き返し てもらわければ支援できなかった。今回、
その場でできるように改正し、日米連携 をスムーズにした。

但し、米軍への武器供与は禁止されている。

Cの国際平和協力活動にも多くの問題点があった。自衛隊は武器使用が厳
しく制限され、海外では外国軍に守ってもらわなければならない。カンボ
ジアPKO ではフランス軍に、イラクでは当初イギリス軍、その後はオ
ランダ軍、そして再びイ ギリス軍に守ってもらった。だが、自衛隊を警
護する外国の部隊が攻撃されても、自 衛隊が彼らを守るために一緒に戦
うことは許されず、有り体に言えば逃げるしかな い。どう考え
ても卑怯である。そこで今回は、共に行動している部隊が攻撃された場
合、自衛隊も彼らを守れるようにした。

そして最後のポイント、Dの集団的自衛権である。日本を除くほぼ全ての
国々が行使する集団的自衛権は、友好国が共同で防衛する権利である。

尖閣諸島など を窺う中国、核攻撃の構えを見せる北朝鮮などに対し、限
定 的ではあっても、日本 が米国などと共に集団的自衛権を行使すること
は、対日侵略を思いとどまらせる大き な効果を生む。集団的自衛権の一
部行使は、戦争をするためではなく、戦争が起こら ないように
抑止するものなのである。

以上4つの柱を見たが、これらはすべて日本と国民を守るためだ。日本が
戦争をしかけたり、他国に戦争をしに行くためではない。

身を賭して公益の為に

さて、「自衛隊員の父」の、隊員の死のリスクが高まるとの懸念について
である。まず、安保法制の有無にかかわらず、自衛隊にリスクは付きもの
である。消 防隊員も警察官も同様である。今も、日常活動で自衛隊員の
尊い犠牲は生じている。

悪天候下、離島の患者の緊急搬送作業で亡くなる隊員もいる。訓練中の事
故で命を落 とす場合もある。

そのような危険を認識したうえで、それでも強い使命感を抱く人々が自衛
隊に入隊する。だからこそ、自衛隊員は国民と国家を守るために、究極の
場合、命を 賭して任務を遂行すると宣誓して職務に就いている。

国防に危険は付きものだと指摘したが、私は国防に携わる人々への感謝と
尊敬の念が、わが国に全く欠落していることを非常に残念に思う。感謝と
尊敬どころか、長年、国民の多くは自衛隊員を偏見に満ちた差別の目で見
てきた。

しかし、長期にわたる自衛隊の地道な働きが少しずつ国民の心を溶かし
た。現在、自衛隊に寄せる国民の信頼度は92・2%と比類なく高い。圧倒
的多数の国民 が、身を賭して公益の為に働く自衛隊員の有り難さを実感
し、彼らがいて初めて国民 も国も守られると感じ始めた。自衛隊への尊
敬と感謝の念が国民の間に漸く生まれて きたと思う。

私は、国民を守り国を守る責務を自らの使命とする自衛隊員たちこそが、
国民と国との一体感の中心軸を成すと考えている。だからこそ、今回、私
にメールを 下さった自衛隊員の父のように、隊員に近い人ほど、平和安
全法案を正しく理解し、 それが決して戦争法案などではないことを知っ
てほしいと願っている。

『週刊新潮』 2015年9月3日号 日本ルネッサンス 第669回
                 (採録:松本市 久保田 康文)

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