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2017.07.02

正邪の標準なくして、利害の打算あり

温故知新とはこのことだと思う。古人の言葉には真理を突いたものが多い。
  ♪
樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1588回】     
――「正邪の標準なくして、利害の打算あり」――(徳富27)
   徳富猪一郎『七十八日遊記』(民友社 明治39年)

               ▽
文部科学省で天下り斡旋の差配役を務めていた前次官が座右の銘は「面従
腹背」だと公言し、新宿の怪しげな酒場通いの理由を「若年女性の貧困調
査」とアッケラカンと口にする。そんな時代であればこそ、「日本人は、
男らしきか故に、恥を知るか故に、有力也」の徳富の言葉に、改めて現在
の日本のブザマな姿を痛切に思い知る。

この前次官を「敢えて“安倍一強”に立ち向かう」と英雄視するバカも見受
けられるが、彼には毎度御馴染みの「愚ニアラザレバ誣也(本人がバカ
か、余ほど世間をナメきっているに違いない)」を贈呈したい。まあ本人
がバカ、いや大バカだとしか考えられませんが。

それにしても「日本を取り戻す」より先に、徳富流の「日本人」を取り
戻すべく努めようではありませんか、御同輩! もっとも時間はあまり残
されてはいませんが。

(50)【時てこなし、數てこなす】=「支那人の一個人としての働きは
寧ろ甚た少たる」うえに「時間の觀念なきか故に」問題なしと考えたくな
る。だが、個人的能力が低かろうが、「偉大なる蕃殖力」がもたらす膨大
な人口は、やはり大いなる脅威としかいいようはない。「他人か一人てな
す所を、二人乃至三人四人にてなす」からだ。また「世に時間の大切なる
ことを知らぬ人間」や「骨を惜しまぬ人間より恐ろしきはなし」。骨を惜
しまないということは、「生命を惜しまぬと、殆んと同一の効力を生す
る」からだ。

いわば命を惜しまない人々の群こそ天下無敵ということになる。原爆よ
り恐ろしい人間爆弾であればこそ、“爆買い”なんぞと喜んではいられない。

(51)【苦力大明神】=「支那をして、侮られながらも、尚ほ世界の或
物として數へらるゝを得せしむるは」、孔子でも、李鴻章、「八ましき御
婆さん(西太后)」、袁世凱、「空論の留學生」、金持ち、学者でもない
(かりに徳富が今の世に蘇えったら、これに毛沢東、トウ小平、習近平を
加えたに違いない)。「實は苦力ある爲めに候」。

「人か獸かの區別さへ判然せさるか如き苦力」こそ、「支那をして、恒に
世界の問題たらしめ、世界の注意たらしめ、時としては便利たらしめ、時
としては厄介たらしめ、更らに時としては恐怖たらしむる所に候」。だか
ら「若し苦力なからしめは、支那は零點に候」。いまや「世界列強か文明
病に麻痺せられんと」しているが、苦力が「其の動物的精力を、世界の各
所に於て、發揮しつゝある」ゆえに、「支那に取りては、百萬の大軍より
も、有力に候」。これをつまり「支那の眞價」も「其の人種的生命」も
「國民的元氣も、苦力に存すし候」。であればこそ「苦力は支那の恩人に
候」であり、「苦力大明神」ということになるわけだ。

苦力とは18世紀末辺りから東南アジア、オーストラリア、北米、中南米に
大量に送り込まれた肉体労働者、つまり「廉價なる人力と人命」を具えた
単純肉体労働者を指す。彼らの人命は「廉價なるか故に、他の耐ゆる能は
さる、辛抱する能はさる境遇に處して、泰然たり」。そのなかの成功者が
同姓・同郷・同業の絆をテコに世界各地にチャイナタウンを作り、商圏を
拡大していった。彼らが故郷の親族に送った外貨は「僑?」と呼ばれる。
成立当初の共産党政権は?僑を掠め取って財政危機を凌いだわけだから、
まさに共産党政権にとっても「苦力大明神」だったことになる。

 「苦力大明神」の子孫は文革期に「西側の腐れ切ったブルジョワジ思
想の害毒を流すもの」と批判されたが、いまや「優れた中華文明の海外へ
の伝達者」「中国経済と海外の仲介者」、「“一帯一路”の担い手」とまで
持ち上げられる。それというのも、5000万人~6000万人を数える彼らの総
資産は2007年時点で「2万億美元」(陳雲・精華大学教授)、つまり20兆
ドル。共産党政権が狙っていないわけがない。やはり「苦力大明神」なのだ。
《QED》
~~~~~~~~~~~~~~

【知道中国 1589回】       
  ――「正邪の標準なくして、利害の打算あり」――(徳富28)
   徳富猪一郎『七十八日遊記』(民友社 明治39年)

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2017.06.25

お邪魔虫共産党

お邪魔虫共産党
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    渡部 亮次郎

中国では幹部でも汚職がばれれば死刑になる。それでも幹部の汚職が引き
もきらない。いくら共産主義に共鳴しても、私欲とは人間の本能に等しい
ものだからである。

こうした目で中国を見ていれば、共産党が政権を掌握している限り人権尊
重や政治の民主化なぞは絶対実現しないと思うのが普通だが、経済の改革
開放が進むのに比例して民主化が進むはずだと考える人々がいる。特にア
メリカの人たちに多い。

中国が何故、共産革命に成功したか。それは国家権力を手中にしようとし
た毛沢東の策謀が成功したからである。国家の形態は何でも良かったが、
とりあえず貧民が国民の大多数だったので、「金持ちの財産を分捕り、皆
で平等に分配しよう」と言う呼びかけに合致したのが共産主義だった。

共産主義政府の樹立が毛沢東の望みではなかった。真意は権力の奪取だっ
た。日中戦争の終結で、日本軍の放棄して行った近代兵器を手中にして蒋
介石と国内戦争を続けた結果、蒋介石は台湾に逃亡した。毛沢東は昭和
24(1949)年10月1日、中華人民共和国建国を宣言した。

人民も共和も中国語には無い。日本語だ。畏友加瀬英明氏の説明だと、中
国語には人民とか共和と言う概念が無いのだそうだ。北朝鮮はそれに民主
主義が加わって嘘が深化している。

権力は掌握したが、人民への約束を果たす手段が無い。とりあえず人民公
社と大躍進政策が当時のソ連をモデルに実施されたが、農民は生産意欲の
低下とサボタージュで抵抗。

結果として食糧不足に陥って各地で飢饉が発生。餓死者は1500万人から
4000万人と推定されている(「岩波現代中国事典」P696)。

毛沢東の死(1976年)後2年、失脚から3度目の復活を遂げていたトウ小平が
経済の開放改革を断行。開放とは日本など外国資本の流入を認め、改革と
は資本主義制度への転換を意味した。

4つの近代化を掲げたのだ。工業、農業、国防、科学技術の近代化であ
る。今のところ実現に近付いているのは軍事の近代化である。

トウ小平は政治の近代化だけは断乎として拒否した。肥大化した経済が政
治(共産政府)を圧倒する危険を回避したのである。だから第2天安門事件
には反革命の匂いを嗅ぎ、断乎、弾圧した。

しかし発展する資本主義にとって共産党政府による様々な統制は邪魔以外
の何物でも無い。工場用地の確保一つとってみても、土地すべての国有は
障害でしかないが、自由にならない以上、共産党幹部を「買収」する以外
に方法が無い。

したがって多発する共産党幹部による汚職事件はいわば構造的なことで
あって、客観的にみれば「事件」ではなく「日常茶飯事」に過ぎない。

しかも冒頭に述べたように「私欲」は本能のようなものだ。所有を否定す
るのが共産主義の思想でも「本能」には勝てっこない。つまり共産主義体
制化で経済だけを改革開放すれば汚職簸自動的に起きるし、共産党幹部に
すれば、現状を変更するメリットは全く無いわけだ。

汚職は時たましか発覚しない。摘発で死刑になるのは不運な奴で政府の知
るところではないのだ。かくて中華人民共和国政府は汚職にデンと腰を下
ろした政権。民主化を抑え、人権無視の批判など絶対耳に留めない。耳が
左右に付いているのは右から聞いたら左から逃す為にあるのだ。2010・12・5


  
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話 の 耳 袋
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 ◎安倍内閣はこの局面を切り抜けて貰いたい:前田正晶

森友学園騒動に続いて加計文書問題と、極言すればフェイクニュースの連
続のような野党攻勢が続いたかと思えば、今度は豊田真由子議員の罵詈雑
言事件が発生した。私は「安倍総理もあれやこれやで大変でしょう」と
思って、このおかしな難局であるかのような状態を眺めている。一部の反
安倍内閣のマスメディアが言うような「安部一強の驕りや気の緩み」もあ
るのかとすら思わせられている。

文在寅大統領:

それだけではない。「矢張りか」と思わずにはいられなかった韓国の文在
寅大統領の反日・親北の姿勢が明らかになってきた。かの大統領はロイ
ター通信のインタービューに「日本は謝り方が足りない」などと不可逆的
合意を覆したい意向を真っ向から表明したかと思えば、DPRKとの冬のオリ
ンピック共催を言い出したのだった。驚きのようでもあるが、あの大統領
が掲げる政策から見れば奇矯でも何でもないだろう。

私はオリンピック共催問題はIOCの判断に任せておけば良いかと思ってい
れば、何とバッハ会長は「喜んで議論」と言い出したとか。Missile
の脅威がないヨーロッパだからこそ言えるのだろうか。会長様はDPRKに対
する制裁などには関心も配慮もない模様だ。

正当な主張をすべきだ:

私はそんなことよりも、文在寅大統領の反日の姿勢に対しては、「断固と
してその誤りと不可逆的合意を覆すようなことが国際的な視野から見ても
許されず、我が国は絶対に認めないし交渉に応ずることなど数
100%もあり得ない」と正々堂々と普通に申し入れることが肝腎だと指摘
したい。

黙って放置すれば「我が国が認めて再交渉に応じる」との意図を表明した
のと同じになってしまう。官房長官の記者会見における談話などで済ませ
てはならない。これまででも韓国や中国政府は我が国の中での案件につい
ても、何かと言えば内政干渉をしてきたではないか。外務省か内閣かは知
らないが、「論争と対立を恐れず、主張すべき個とは即刻申し入れるべ
き」だ。

USTR:

次はアメリカの通商代表部だ。「何が何でも関税を引き下げさせて牛肉と
農産物を買え」と迫っていくと、ライトハイザー代表が表明したようだ。
トランプ大統領のご意向を帯して言っているのだろうが、アメリカの対日
貿易赤字は我が国の責任ではないことが未だにお解りではない模様だ。

ここでも、歴史的経過を説いて聞かせ理解させて、如何に理不尽であるか
を納得するならば、交渉に応じようかくらいは言っておくべきだ。私は経
験からも何度も指摘してきたことだが、彼らの交渉には「中間を取って折
り合おう」とか「最初から妥協を考えて落としどころを探りにくる」よう
なことはあり得ないし、交渉団が与えられた課題通りに決着させること以
外は許されていないのだ。

彼らに対して「折角遠路はるばる来たのだから」や「何かお土産でも持た
せなければ」という類いの配慮は不要だ。ましてや「何とか顔を立てて差
し上げねば」などと考える必要などない。彼らには確かに"face
saving"という表現はあるが、それは「考える必要はない」の裏返しのよ
うな言葉だ。

この辺りは我が国との文化の如何ともしがたい違いであると認識してかか
るべきだ。仮に、農水省が撥ね付けても、簡単に引き下がれないような使
命を担ってきているのだから、執拗に迫ってくるだろう。ここではいっそ
の事甘利元大臣にでも再登場願って、TPP交渉で鍛えられた交渉術を発揮
して貰えばどうだろう。でも、対象に「米」が入っていないのは何故だろ
う?農産物の中に含まれているのか?


 ◎米大統領娘婿クシュナー氏、イスラエル・パレスチナ首脳と会談

[エルサレム 21日 ロイター] - トランプ米大統領の娘婿であるジャ
レッド・クシュナー大統領上級顧問は21日、イスラエルおよびパレスチナ
の首脳と会談した。クシュナー氏は21日午前にイスラエルに到着し、滞在
時間はわずか20時間を予定。

テレビの映像では、クシュナー氏はイスラエルのネタニヤフ首相と握手。
ネタニヤフ首相は「これは安全、繁栄、平和という共通の目標の追求に向
けた良い機会だ」としたうえで、「共通の目標の達成に向けて(クシュ
ナー氏と)協力することを楽しみにしている」と述べた。

クシュナー氏は記者会見を行っていない。

ホワイトハウスが発表した声明は、両氏が「和平の実現には時間がかかる
こと、和平につながる環境づくりのためにできることをすべて行うことが
重要だということを確認した」としている。

またクシュナー氏はヨルダン川西岸のラマラに赴き、パレスチナ自治政府
のアッバス議長と2時間にわたり会談した。

アッバス議長の報道官は、対立の主因となっている全ての問題ついて話し
合ったと明らかにした。

複数の米政府高官は今回の訪問について、和平プロセスで新たな局面を切
り開くというよりも、対話を維持する努力の一環であるとの認識を示して
いる。

写真-  6月21日、トランプ米大統領の娘婿であるジャレッド・クシュ
ナー大統領上級顧問は、イスラエルおよびパレスチナの首脳と会談した。
クシュナー氏は21日午前にイスラエルに到着し、滞在時間はわずか20時
間を予定。写真はウェストバンクで撮影。提供写真(2017年 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/israel-palestinians-usa-talks-idJPKBN19D0IE
【ロイター】2017年 06月 22日 15:30 JST 〔情報収録 - 坂元 誠〕

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2017.06.23

米国防総省の報告に見る中国の脅威

米国防総省の報告に見る中国の脅威   
  櫻井よしこ

米国防総省が6月6日、「中国の軍事情勢」に関する年次報告書を発表し た。海洋、宇宙、核、サイバー空間の4分野を軍事戦略の要として、中国 が世界最強の国を目指して歩み続ける姿を描き、警告を発している。
 
報告書は、中国の目標が米国優位の現状を打ち砕くことだと分析し、その ために中国は、サイバー攻撃によって、軍事技術をはじめ自国で必要とす る広範な技術の窃取を行い、知的財産盗取を目的とする外国企業への投資 や、中国人による民間企業での技術の盗み取りなどを続けていると、驚く ほど率直に告発している。
 
この件に関して興味深い統計がある。中国政府は長年、経済発展を支える イノベーション重視政策を掲げてきた。2001年から複数回の5か年計画を 策定し、研究開発費をGDP比で20年までに2・5%に引き上げようとして きた。だが、目標は一度も達成されていない。理由は、彼らが必要な知的 財産を常に他国から盗み取ることで目的を達成してきたために、自ら研究 開発する風土がないからだとされている。
 
ただ、どのような手段で技術を入手したかは別にして、中国が尋常ならざ る戦力を構築しているのは明らかだ。中国は世界で初めて宇宙軍を創設し た国だ。米国家情報長官のダニエル・コーツ氏は今年5月、「世界の脅威 評価」で、ロシアと中国はアメリカの衛星を標的とする兵器システム構築 を宇宙戦争時代の重要戦略とするだろうと報告している。
 
15年末に、中国は「戦略支援部隊」を創設したが、それはサイバー空間と 宇宙とにおける中国の軍事的優位を勝ち取るための部隊だと分析されている。
 
国防総省の報告書は、中国を宇宙全体の支配者へと押し上げかねない量 子衛星の打ち上げに関しても言及しているのだ。

大中華帝国の創造

昨年、中国は宇宙ロケットを22回打ち上げ、21回成功した。そのひとつ が世界初の量子科学実験衛星の打ち上げだった。量子通信は盗聴や暗号の 解読がほぼ困難な極めて高い安全性が保証される通信である。「仮に通信 傍受を試みたり、通信内容を書き換えようとすると、通信内容自体が?崩 壊?する。理論的にハッキングはまず不可能」(産経ニュース16年9月3 日)だと解説されている。
 
量子衛星打ち上げの成功で、地球を包み込んでいる広大な宇宙を舞台にし た交信では、どの国も中国の通信を傍受できないのである。
 
中国は07年に地上発射のミサイルで高度860!)の自国の古い気象衛星を破 壊してみせた。攻撃能力を世界に知らしめたのだ。衛星破壊をはじめとす る中国の攻撃の狙いは、「敵の目と耳を利かなくする」こと。違法なハッ キングで世界中の技術を盗んできた中国が、選りに選って絶対にハッキン グされない技術を持てば、世界を支配する危険性さえ現実化する。
 
中国は現在独自の宇宙ステーションを構築中だが、来年には主要なモ ジュールの打ち上げが続く見込みだ。東京五輪の2年後には、中国だけの 宇宙ステーションが完成すると見られる。さらに、中国は月に基地をつく る計画で、月基地の完成は27年頃と発表されている。習近平氏の「中国の 夢」は、21世紀の中華思想の確立であり、宇宙にまで版図を広げる大中華 帝国の創造ではないのか。
 
中国の遠大な野望の第一歩は、台湾の併合である。その台湾に、国防総省 報告は多くの頁を割いた。「台湾有事のための戦力近代化」(Force Modernization for a Taiwan Contingency)という章題自体が、十分注目 に値する強いタイトルだ。付録として中国と台湾の戦力比較が3頁も続い ている。
 
台湾と中国の軍事力は比較にならない。中国の優位は明らかであり、将来 も楽観できない。たとえば現在、台湾は21万5000人規模の軍隊を有する が、2年後には全員志願兵からなる17万5000人規模の軍隊を目指してい る。しかし、この縮小した規模も志願兵不足で達成できないだろうと見ら れている。他方、中国は台湾海峡だけで19万人の軍を配備しており、人民 解放軍全体で見れば230万人の大軍隊である。
 
台湾、南シナ海、そして東シナ海を念頭に、中国は非軍事分野での戦力、 具体的にはコーストガード(海警局)や海上民兵隊の増強にも力を入れて きた。
 
10年以降、中国のコーストガードは1000!)以上の大型船を60隻から130隻 に増やした。新造船はすべて大型化し、1万?を優に超える船が少なくと も10隻ある。大型船はヘリ搭載機能、高圧放水銃、30!)から76!)砲を備え ており、軍艦並みの機能を有し、長期間の海上展開にも耐えられる。
 
ちなみに1000!)以上の大型船を130隻も持つコーストガードは世界で中国 だけだと、国防総省報告は指摘する。海警局は、もはや海軍そのものだ。

ローテクの海上民兵隊
 
海警局とは別に海上民兵隊も能力と規模の強化・拡大を続けている。事態 を戦争にまで悪化させずに、軍隊と同じ効果を発揮して、海や島を奪うの が海上民兵隊である。
 
彼らは人民解放軍海軍と一体化して、ベトナムやフィリピンを恫喝する。 16年夏には日本の尖閣諸島周辺にまで押し寄せた。国防総省報告は、この 海上民兵隊に重要な変化が表れていることを指摘する。かつて海上民兵隊 は漁民や船会社から船を賃借していた。それがいま、南シナ海に面する海 南省が、84隻にも上る大型船を海上民兵隊用として発注した。独自の船を 大量に建造しているのだ。
 
海上民兵隊は南シナ海を越えて尖閣諸島や東シナ海、さらには小笠原諸 島、太平洋海域にも侵出してくる。
 
宇宙軍と量子衛星、そして海上民兵隊。ハイテク戦力とローテク戦力を併 せ持つ中国が世界を睥睨しているのである。サイバー時代においては、先 に攻撃する側が100%勝つのである。その時代に、専守防衛では日本は自 国を守れないであろう。
 
日米同盟はいまや、責任分担論が強調される。アメリカはかつてのアメリ カとは異なる。国家基本問題研究所の太田文雄氏が問うた。

「仮にアメリカのトランプ政権が、?ハイテクの宇宙・サイバー空間にお ける脅威はアメリカが対処する。そこで責任分担で、ローテクの海上民兵 隊には日本が対応してほしい?と言ってきたら、わが国はどうするので しょうか」
 
日本を守る力は結局、日本が持っていなければ、国民も国土も守りきれな い。そのような事態が近い将来起きることは十分にあり得るのだ。
 
折りしも安倍晋三首相が自民党総裁として憲法改正論議に一石を投じた。 この機会をとらえて、危機にまともに対処できる国に生れかわるべきだ。

『週刊新潮』 2017年6月22日号 日本ルネッサンス 第758回

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朝日新聞のスクープ記事もなぜか不自然

朝日新聞のスクープ記事もなぜか不自然
 
             阿比留 瑠比

記事は、加計学園の獣医学部新設計画について、文部科学省が「内閣府か ら『官邸の最高レベルが言っている』『総理のご意向だと聞いている』な どと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった」というスクー プだった。

それはいいが、記事に添えられた「大臣ご確認事項に対する内閣府の回 答」と題された文章の写真が不可解である。写真はなぜか下側が暗く文字 がよく読めないが、文科省が15日に発表した同様の文書をみると、その 部分にはこうある。

「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なの で、総理からの指示に見えるのではないか」

つまり、安倍首相の指示だと取り繕ってはどうかという話であり、逆に 首相の指示などないことを示している。

ところが、そこが朝日の写真では不自然に隠された形となっている。こ れでは「印象操作」と言われても仕方があるまい。

真実は不確実

「安倍政権に批判的な記者の一人」であり、安倍政権が掲げる政治目標 に「ほとんど賛同できない」という立場の元朝日記者でジャーナリストの 烏賀陽弘道氏は、新著『フェイクニュースの見分け方』でさまざまな情報 を検証している。

その上で、(1)日本会議=安倍政権の黒幕説を首肯できる事実は見い だせない(2)(安倍政権の言論統制を非難する記事や出版物の)「報道 に介入した」「圧力を加えた」「統制した」と主張する根拠がわからない (3)(高市早苗総務相の放送法関連答弁について)民主党時代と同じ発 言を根拠にした「安倍政権は報道の自由を恫喝している」という非難は不 思議-などと結論付けており、うなずける。

記事は、加計学園の獣医学部新設計画について、文部科学省が「内閣府か ら『官邸の最高レベルが言っている』『総理のご意向だと聞いている』な どと言われたとする記録を文書にしていたことがわかった」というスクー プだった。

それはいいが、記事に添えられた「大臣ご確認事項に対する内閣府の回 答」と題された文章の写真が不可解である。写真はなぜか下側が暗く文字 がよく読めないが、文科省が15日に発表した同様の文書をみると、その 部分にはこうある。

「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なの で、総理からの指示に見えるのではないか」

つまり、安倍首相の指示だと取り繕ってはどうかという話であり、逆に 首相の指示などないことを示している。

ところが、そこが朝日の写真では不自然に隠された形となっている。こ れでは「印象操作」と言われても仕方があるまい。

真実は不確実

「安倍政権に批判的な記者の一人」であり、安倍政権が掲げる政治目標 に「ほとんど賛同できない」という立場の元朝日記者でジャーナリストの 烏賀陽弘道氏は、新著『フェイクニュースの見分け方』でさまざまな情報 を検証している。

その上で、(1)日本会議=安倍政権の黒幕説を首肯できる事実は見い だせない(2)(安倍政権の言論統制を非難する記事や出版物の)「報道 に介入した」「圧力を加えた」「統制した」と主張する根拠がわからない (3)(高市早苗総務相の放送法関連答弁について)民主党時代と同じ発 言を根拠にした「安倍政権は報道の自由を恫喝している」という非難は不 思議-などと結論付けており、うなずける。

米国の著名なジャーナリスト、リップマンは1922年刊行の著書『世論』で、ジャーナリストの仕事についてこう訴えている。

 「人びとの意見形成のもととなるいわゆる真実といわれるものが不確実な性格のものであることを人びとに納得させること」

フェイクニュースが蔓延しているならば、なおさらだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)
23日産経ニュース

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2017.06.19

安倍総裁提案の改憲に期待

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安倍総裁提案の改憲に期待
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      宝珠山  昇

安倍自民党総裁が憲法記念日に表明された憲法改正の論議加速、実行の決 断・提案(注1)は、現在の日本が抱えている安全保障上の最大の課題 (注2)を前進させる安価で効果的な施策であると考える。

また、「憲法改正」は、何等の“省益・個益”をもたらさないためか、論議 ばかりで七十年近くも放置されていたものを、合意できるものから実行に 移すべきだとの国家の指導者に相応しい決意表明に敬意を表し、賛同する。

注1:安倍自民党総裁が提案された改憲論議加速実行案の要旨:「自衛隊 が全力で任務を果たす姿に対し国民の信頼は九割を超えている一方、多く の憲法学者は『違憲』と言っている、--北朝鮮情勢が緊迫し、安全保障環 境が一層厳しくなっている中、『違憲かもしれないが、何かあれば命を 張ってくれ』というのはあまりにも無責任--私の世代は自衛隊を『合憲 化』することが使命」、「憲法9条の第1項、2項をそのまま残し、自衛 隊の存在を記述するということを議論してもらいたい」

注2:現在の日本の安全保障上の最大の課題は、「自国第一主義」等が顕 在化し、先進国の指導力・統合力が低下している国際社会で、(1)国際 法が順守される世界への推進、(2)日米安全保障関係、共同作戦態勢の 充実、(3)対中、南北朝鮮、ロ関係の改善----(北には「核放棄まで圧 力」を継続し、核保有の効果はないことを知らしめること)、(4)対 欧、印、東南アジア等との関係強化、(5)過激派テロ対応態勢の充実、 等するために、(1)ミサイル防衛態勢の充実・強化、(2)民間防衛態 勢の充実・実効化、(3)敵基地攻撃能力の整備、(4)非核三原則の緩 和・見直し、等であると認識している。

なお「テロ準備罪法」は、北朝鮮が、核兵器やミサイル開発等を推進する とともに、国外の工作員に指令を出すためと見られる“乱数放送”を16年ぶ りに再開している状況、諸国におけるテロ行動の頻発、等を考えれば、で きるだけ速やかに施行されるべきものである。これに反対する勢力は、こ の法律のリスクの側面に目がくらみ、目前に迫っている基本的人権、安全 保障上の脅威に目をつぶり過ぎていると考える。

この安倍総裁の提案に対し“第2項との整合性はどうなるのか。憲法に自 衛隊という言葉はないが、国民に定着している。無理に書く必要はないの ではないか”、“第3項を加えて自衛隊を書いたとき、『それは軍隊なのか 違うのか』という矛盾が続く”、“自衛隊は第2項の「戦力」には該当しな いとの趣旨を第3項に盛り込むべきだ”、“第9条はそのまま残す方が、解 釈を変えない趣旨が明快であり、「第9条の2」を新設して書くのが良 い”、”憲法改正はまだ機が熟していない”等の慎重論、条件付き賛成論、 反対論が見られる。

しかし、これらの懸念は、第9条の次に次の趣旨の1項を加えることによ り、大部分解消するのではないかと考える。

第9条の2 前条第1項に規定する「正義と秩序を基調とする国際平和」 が実現するまでは、同条第2項の規定にかかわらず、我が国の平和と独立 並びに国及び国民の安全を確保するため自衛軍を保有する。

2 自衛軍は、内閣総理大臣を最高指揮権者とし、次の要件が充足される 場合に国際法規に従い行動する。
 
(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係 にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かさ れ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険 があること
 
(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当 な手段がないこと
 
(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

3 自衛軍は、前文において希求している「平和を維持し、専制と隷従、 圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、 名誉ある地位を占める」諸活動に国際法規に従い貢献する。

基本的補足説明:戦後の神学的な憲法9条解釈論争の起因は、基本的に次 のようなものであると理解している。

「自衛隊は違憲」の解釈は、日本国憲法第9条を素直に忠実に日本語に 従って読めば、憲法学者でなくても、中学生でも、導かれるものである。 これを反日、反米活動家などが利用などして、日本の生存環境の変化・激 化を軽視し、改憲の論議に浸り、実行を停滞させた。

歴代政府は、「国防の基本方針」(昭和32年5月20日・国防会議及び閣議 決定)等に示されているように、第9条を憲法が国家の生存と生存のため の相応の備えを否認することはあり得ないとの基本点に立って解釈し、国 力の増進、国際情勢・安全保障環境の変化などに対応しつつ、漸進的に自 衛力の整備を進めて来た、せざるを得なかった。

日本国民は、国力の充実、国際的地位の向上、安全保障環境の変化・激 化、国際平和貢献の重要性などを実感する中で、政府の憲法解釈・運用を 支持する勢力を増加させた。
この私案は、これらを、日本国憲法前文及び第9条との関連を踏まえつ つ、追認するものである。また、憲法第9条の政治的宣言性を明示し、中 学生などにも自衛軍の存在を正しく理解される可能性を高めるものと考える。

9条の2の条項案についての補足説明:

第1項は、国際情勢は9条第1項が規定している「国際平和」は実現して いないとの認識を前提として、それが実現するまでの条件付きで第2項の 施行を停止し、自衛のために必要最小限の戦力・軍隊を保有することを、 「9条の2」として明記・加えるものである。

第2項は、自衛軍は「専守防衛」の軍隊であることを、自衛権行使の3原 則をもって、明記するものである。

第3項は、自衛軍は「国際平和」を実現するための国際社会の諸活動に貢 献することを主任務とすることを明記するものである。
△この私案は、次のような関連するこれまでの「憲法解釈」「政府統一見 解」と齟齬をきたすものではない。

(1)憲法第9条についての見解(主権国家として持つ自衛権)

(2)憲法前文の平和主義についての見解

(3)交戦権の否認と自衛力の行使

(4)戦力と自衛隊  (5)自衛力の限界  (6)自衛隊と軍隊

なお、現実の北朝鮮の暴挙、朝鮮半島の混迷などとの関連については、次 のような理解の下で効果的な施策の一つであると考えている。

古来、我が国への災難は、大陸の混乱とのかかわりでもたらされている。 一衣帯水の朝鮮半島で戦乱が起これば被害も甚大なものとなる。
△超大国に囲まれていて、非核中級軽武装国家の日本が採りうる政策には 大きな限界がある。

我が国は、国際社会の経済的・政治的・軍事的圧力・制裁の強化を補強し 得るべく、北朝鮮の軍備増強を恐れなくて良いように、北朝鮮の増強ス ピードに先行して少なくとも並行して、我が国の防衛態勢を充実・強化 (注2)することが賢明・肝要である。
                〈2017年6月18日記〉


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情報機関の調査機能の一掃を目論む韓国の現状を日本は注視すべき

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情報機関の調査機能の一掃を目論む韓国
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            櫻井よしこ

「情報機関の調査機能の一掃を目論む韓国の現状を日本は注視すべき」

46年前の1971年に、東京・渋谷で沖縄返還協定反対デモがあり、警備に当 たった新潟県警の中村恒雄警部補、当時21歳が殺害された。「渋谷暴動事 件」である。その犯人と思われる大坂正明容疑者が6月7日、逮捕された。 実に46年間も逃げ続けていたのだ。
 
人々が忘れ去っても、ずっと事件を追い続けた公安と警察の働きがあって 初めて、大坂容疑者の逮捕となった。国や社会の安全は、このような地道 な息の長い努力によって守られていることを改めて認識する。
 
いま、欧州、中東、南アジアなどではテロが続発し、国内治安を守るのは 容易でない。国内の不穏な動きを厳しく監視できなければ、安全な国民生 活は守りきれないといってよい。
 
とりわけ南北に分断されている朝鮮半島では、韓国は北朝鮮の対南工作に 晒されてきた。他のどの国と較べても、国内治安維持のための監視体制が 必要な国だ。ところが、文在寅氏が大統領に就任して日も浅い6月1日、早 くも非常に憂うべき決定が下された。
 
国家情報院(国情院)を「改変」するというのだ。第一報を、私は6月5 日付の「産経新聞」櫻井紀雄記者による、ソウル発の記事によって知っ た。国情院は北朝鮮の独裁政権から韓国を守るために、あらゆる謀略工作 に目を光らせる機関である。

国家保安法を執行する、日本でいえば公安調査庁と警察を合わせたような 組織だ。その国情院院長に就任した徐薫氏が、これまで、国情院のみなら ず各種の機関で情報収集に当たってきた国内情報担当官(IO)制度の廃 止を指示したという。もし、実行されれば、日本でいえば公安調査庁、警 察を筆頭とする全情報機関の調査機能が一掃される事態が生ずる。

「統一日報」論説主幹の洪?(ホン・ヒョン)氏が語る。

「もし、そのようなことを実行したら、スパイ捜査もできなくなります。 全ての公安関係の組織活動が根底から切り崩されます。果たしてそんなこ とができるのか、疑問です」
 
実は、金大中、盧武鉉、金泳三各氏ら歴代の左翼系大統領は皆同じ提案 をした。しかし、流石に国家の基盤である情報組織を解体することはでき なかった。今回も同じ展開になるのではないかと、洪氏は見る。
 
一方で懸念すべきは、これまで北朝鮮の工作員など韓国に害をなすと思 われる勢力に向けられていた情報機関の活動が、逆に国民の方に、とりわ け、保守勢力に向けられてくるのではないかということだ。洪氏の解説で ある。

「日本からでは韓国の実態はわかりにくいかもしれません。朴槿恵前大統 領があっという間に弾劾、逮捕され、収監された背景を頭に入れておく必 要があります。民労総(全国民主労働組合総連盟)や全教組(全国教職員 労働組合)などの勢力が反朴運動を支えましたが、これらは日本の自治労 や日教組をもっとずっと激しい極左にしたような組織です。彼らの支持の 上に現在の文政権があるのです」
 
彼らは文氏も含めて、北朝鮮の破綻が明らかな現在も、金日成氏の主体 思想を信奉する人々である。
 
文氏は盧政権下の秘書室長(官房長官)だった。盧大統領は事実上、国 情院によって、北朝鮮に従う余り韓国を裏切ることになった行動を暴露さ れている。今回の措置は、文氏が盧氏の失敗に学んで、まず、韓国内の情 報機関の潰滅を狙った可能性も考えられる。隣国の状況の深刻さが窺える。
 
こんなときこそ、日本国内の状況への目配りが重要だ。沖縄での反米軍基 地運動をはじめ、慰安婦問題で政府を追及する会合などが、日本各地で驚 くような頻度で開催されている。少なからぬ朝鮮半島の人々や中国人が参 加している。外国籍の運動家の、日本における政治活動の実態の危険度に 注視し、日本は韓国の現状から学びとるべきではないか。

『週刊ダイヤモンド』 2017年6月17日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1186 


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2016.09.30

蓮舫、トランプ並みの敗北ー党首初対決


党首討論をテレビで視聴したものとして、我が意を得たりの感想文を発見した。以下は全て渡部亮次郎氏から配信されたメルマガからの転載である。

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蓮舫、トランプ並みの敗北ー党首初対決
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              杉浦 正章

「提案」も抽象論に終始

「蓮(はす)は泥の中からりんと茎を伸ばし花を咲かせる」とは、“イケ シャーシャー”とよく言ったものだ。よほど容姿に自信がなければ出てこ ない言葉だ。おまけに本会議で党首が言う発言だろうか。「おんな」を国 権の最高機関の本会議で“売り”にしてはいけない。

国会を利用したファッション雑誌の撮影のように、なにか民進党代表・蓮 舫に“舞上がり”のようなものを感じて、これで大丈夫かと他人事ながら心 配になる。幹事長・野田佳彦もそうだ。

巧言令色のご仁特有の、言葉に頼ってころころ変わる悪癖が目立つ。両者 の代表質問を聞く限り、3年3か月の民主党政権の大失政と、デフレに手 をこまねいた実態が浮かび上がるばかりだ。外交・安保・憲法など重要課 題で党論を統一できないまま、安易な質疑を繰り返す姿勢もありありと見 える。

先ず政治記者も政治家も気がついていないが、蓮舫ははじめから想像を絶 する“大矛盾”の質問を展開した。「消費増税の2度に亘る延期はアベノミ クスの失敗であり、ごまかしだ」と決めつけたが、民進党が閣議決定に先 だって延期を唱えたのは4か月前だ。もう忘れたのだろうか。

延期を党議決定した上で、5月に代表・岡田克也が党首討論に臨み、「消 費増税は延期せざるを得ない状況だ」と安倍に決断を迫ったばかりではな いか。若いのに健忘症では困る。  

また蓮舫は22回も「提案」という言葉を使って持論の「批判より提案」を 強調したが、その提案の内容が抽象的で具体性に欠けるものが多く、不発 に終わった。

例えば「今の時代に合った経済政策が必要だと提案する」は 具体性ゼロ の噴飯物だ。自らの得意の分野に安倍を引き込もうと介護・福 祉問題に 時間を割いたが、ことごとく安倍に数字で論破されている。

例え ば安倍が所信表明演説で子供の貧困に触れていないことを指摘した が、安 倍から「民主党政権時代には児童扶養手当は1円も引き上げられ なかっ た。

重要なことは言葉を重ねることでなく結果だ。100の言葉より1の 結果 だ」と逆襲された。

「アベノミクスの3本の矢は当たりもしなかった 上に、財政、経済、金 融市場がすべて傷だらけになった」という極端な主 張には、安倍の「雇 用は大きく改善し、有効求人倍率は全都道府県で1を 超え、企業収益は 過去最高」と反論された。まるでクリントンに論破され たトランプのよ うであった。「提案政党」どころか逆に「反対政党」の本 質がきわだった。

蓮舫質問の最大の欠陥は、細かい“重箱の隅つつき”に専念するあまり、 大局を見ていない点にある。まだ岡田の方が大局を見ていた。介護・福祉 はもちろん重要な政治テーマだが、政治はそればかりではない。極東の情 勢を見てみるがよい。

北の核武装は止まるところを知らず、中国の東・南 シナ海への覇権行動 は収まりそうもない。まさに極東の危機であるにも拘わらず、外交・安保 問題には一切言及がなかった。

知らないことは聞かな い姿勢で党首が務まるのか疑問だ。その点、社会 党委員長・土井たか子 は、外交内政ともに追及力を持っていた。最初の ハブとマングースの戦い は、7対3でマングースの勝ちだ。

一方野田も自らの政権の時に環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に 入ることを決断したにもかかわらず、真っ向から反対に転じた。NHKで の発言では、「情報開示が十分でないままだ」と不満を述べながら「勝ち 取るべきものを勝ち取っていない。私が躊躇したものを飲み込んだのでは ないか。協定案に賛成するわけにはいかない」と発言したのだ。

半世紀も 政治を見ていると声の抑揚で政治家の嘘が分かるが、野田の発 言も賛成から反対に回るための苦し紛れのものであろう。情報開示が十分 でないのに 「躊躇したものを飲み込んだ」とどうして分かるのか。首相 時代に「躊躇 している」との発言はなかった。

野田は本会議で憲法審査会の審議に関連して、自民党の憲法改正草案の 撤回を前提とするように求めたが、安倍は「撤回しなければ議論ができな いという主張は理解に苦しむ」と拒否した。

だいいち自民党幹事長・二階 俊博も自民党案にこだわらず議論を進める ように提案しているではない か。他党の草案を最初から撤回を求めるの はおかしい。

問題の所在は民進 党が自らの改憲案を未だに作れない党内事情にあるの ではないのか。蓮舫 質問も野田質問も政策論議の統一がないまま放置さ れている民進党が抱え る急所を露呈している。

討論を見たかぎり、デフレに手をこまねいて3年3か月失政を重ねた民 進党よりも、安倍政権の方がよほどましだとの考えに至るしかない。未だ に3年3か月の失政のくびきから逃れるに至っていない民進党の姿はどう しようもない。 


           

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2016.09.11

「大東亜戦争は継続中だ」

中国の最近の行動は現代の植民地主義であると思う。大東亜戦争の意義を日本人達は評価すべき時期であると思う。以下は全て渡部亮次郎氏から配信されたメルマガからの転載である。


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「大東亜戦争は継続中だ」
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       伊勢 雅臣

「大東亜戦争は継続中だ」と語ったインドネシア将軍

日本軍が引揚げた後も、インドネシアは植民地主義・共産主義と戦ってきた。

■1.「我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業」

インドネシアのサンバス将軍は、次のように語ったと伝えられている。

日本の戦争目的は、植民地主義の打倒であった。その目的の大半は達成し たが、植民地主義国はまだ残っているではないか。ソ連(ロシア)は最後 の植民地主義国だ。中国もチベットやウイグルを併呑した植民地主義国 だ。これから我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業は、中ソが 相手となる。[1, p111]

25年ほど前の発言だが、ソ連こそ打倒されたものの、チャイナによるチ ベット、ウイグルの弾圧・搾取は酷くなる一方であり、最近の南シナ海の 軍事基地化はそのまま、東南アジア諸国への侵略である。

しかし、この発言の真意を理解するには、インドネシア国民が第二次大戦 後も植民地主義と戦ってきた足跡を知らなければならない。インドネシア 国民から見れば、西洋植民地主義や共産主義と戦ってきた日本が大東亜戦 争の敗戦で引き上げてしまったので、その後の「植民地一掃の大事業」 を、彼らだけで取り組まなければならなくなった、というのである。

戦後のインドネシアの戦いを見れば、大東亜戦争の意義も、日本の今後の 使命も見えてくる。


■2.日本軍の支援を受けて独立準備

1602年から始まったオランダのインドネシア支配は過酷で、各地でコー ヒーや砂糖の栽培を強制し、その収益はオランダの国家予算の3分の1を 占めたと言われている。貧困に喘ぐインドネシア人の平均寿命は、一説に よれば、35歳まで低下した。

オランダ支配に抵抗して、インドネシア人民は何度も独立闘争を起こした が、そのたびに制圧された。そこに登場したのが日本軍だった。日本軍は 同じアジアの民としてインドネシア人に助けられ、わずか七日あまりでオ ランダ軍を降伏させた。

インドネシアに駐留した第16軍司令官・今村均大将は、独立運動の指導 者スカルノに対し、将来の独立に向けた準備を支援する代わりに、戦争に 協力するよう求めた。スカルノはこの取引に応じ、日本軍に物資や労務を 提供する代わりに、日本軍はインドネシア人による軍隊(PETA)の創設・ 訓練、官僚の育成、法制度や教育体制の整備などを進めた。[a, b, c]

 その上で、日本軍が敗れた1945年8月15日の二日後、スカルノは初代 大統領に就任して、独立を宣言したのである。


■3.オランダの「侵略戦争」

しかし、それで過去300年以上の権益をあきらめてしまうようなオランダ ではなかった。オランダの副総督ファンモークは、スカルノの独立宣言を 無視して、インドネシアの港町スラバヤにイギリス軍とともに、上陸した。

ファンモークは「インドネシア人は、日本軍が降伏してしまった現在、 我々が上陸すれば、彼らは直ちに元通り従順になるに違いない」と考えて いた。しかし、インドネシアは「日本軍のおかげで羊がトラになった」と オランダは驚愕した。

イギリス軍は連合軍の管轄として、日本兵の武装解除、本国輸送などの役 割を果たすためにやってきたのだが、インドネシア独立戦争に巻き込ま れ、大きな犠牲を出した後で、1946年11月に軍隊を撤退させた。

しかし、オランダは諦めず、1947年7月に戦車、飛行機、機関銃で武装し た部隊約10万人を投入して、大規模な攻撃に出た。インドネシア共和国 軍は兵員こそ2百万人もいたが、武器は日本軍から秘密裏に渡された小銃 4万丁ほどに過ぎず、大半の兵士は竹槍を手に立ち向かった。オランダ軍 は瞬く間にジャワの大部分と、スマトラ油田地帯を含む産業地帯を占領した。

オランダの「侵略戦争」は世界中の非難を浴び、国連安保理も「オランダ の敵対行動の即時停止」と「平和的手段での解決」を謳った決議案を採択 した。


■4.「植民地主義と戦うには力がなければ勝てない」

オランダは、この決議案を受け入れて、停戦に応じるかと見せかけたが、 占領地域からの軍隊撤退は拒否した。外交交渉が乗り上げ、局地的戦闘が 続く中、1948年12月20日、オランダは空挺部隊による第2次攻撃を開始。

オランダとの独立戦争では、日本軍人数千人が戦後も現地に残ってインド ネシア軍とともに戦った。そのなかには、インドネシア国立英雄墓地に祀 られている人々もいる。[d]

 国際世論、特にインドを始めとするアジア諸国はオランダによる都市の 無差別爆撃に激しい非難を浴びせかけた。国連安保理も1949年1月28日、 オランダに対して、インドネシアから撤兵するよう勧告する決議案を採択 した。

アメリカ議会の中では、これ以上、軍事行動を続けるならば、マーシャ ル・プラン(アメリカによる欧州経済復興援助)を打ち切るべきだという 声が出てきて、これが最終的にオランダを諦めさせた。結局、国連による 非難決議は、オランダの侵略に対する有効な阻止手段とはならなかったの である。

3年半の独立戦争で、インドネシア側が払った犠牲は死者だけで80万 人、負傷者は1千万人を超えた。しかし、オランダは謝罪するどころか、 戦闘を賄うために自ら発行した軍票60億ドルのインドネシア政府による弁 済、オランダ人官吏への恩給支給、オランダ人所有の不動産の権利承認な どを要求した。

インドネシア政府は独立確保のために、オランダの要求をすべて呑んだ。 そして再侵略の心配がなくなった1963年に、オランダの要求を否認する声 明を出した。その時の外相であったルスラン・アブドルガニー氏は、[1] の筆者・江崎道朗氏に次のように語った。


我々はようやく力がついてから全世界の見ているところでオランダとの約 束を全部破り捨てました。つまり植民地主義と戦うには力がなければ勝て ないのです。オランダと戦う力、つまり軍事能力を戦時中、日本が与えて くれたおかげで我々は独立することができました。[1, p80]

連合国が東京裁判で我が国を「侵略の罪」で裁いている最中に、原告側に 立っていたオランダは露骨な侵略をしていたのである。


■5.共産クーデターとの戦い

オランダからの独立を果たしたのも束の間、インドネシアは今度は共産主 義勢力の標的とされる。ソ連や中国はスカルノを操って、インドネシアを 共産化しようとした。1958年には、スカルノ政権はソ連から10億ドルも の武器援助を受けとった。

1963年、終身大統領に就任したスカルノへの反感から欧米諸国が援助を控 えると、中国は肩代わりし、共産党の勢力拡大に注力した。インドネシア 共産党は「入党すれば、いい仕事につける」と宣伝し、党員300万人、シ ンパ1800万人にまで膨張した。

1965年10月1日未明、ついに共産クーデターが勃発。大統領親衛隊の約5 百人の決起部隊が、陸軍将校の邸宅を次々と急襲し、大統領官邸を占拠し た。俗に「9・30事件」と呼ばれる。

 しかし、陸軍戦略予備軍司令官のスハルト少将が、共産クーデターに呼 応しないよう国軍幹部を説得し、即座に鎮圧に動いた。スハルトを中心と した陸軍が行動を開始すると、学生とイスラム教徒の民衆は共産党に立ち 向かった。

各地で民衆が左右に分かれて激突し、半年間で死者百万人に上ると言われ る内戦が繰り広げられた。この結果、共産クーデターが失敗に終わり、周 恩来主導のアジア共産化構想は頓挫した。スカルノは大統領の職位こそ解 かれなかったが、失脚して実権を失った。


■6.「日本にぜひ協力してもらいたい」

9・30事件の翌66年2月、インドネシア軍の司令塔となっていたアリ・ム ルトポ准将が来日して、福田赳夫外相、佐藤栄作首相と会談した。ムルト ポは、次のように訴えた。

束南アジアはこれまで、米中ソの代理戦争をしてきました。米中ソを入れ ないようにASEAN(東南アジア諸国連合)という垣根を作ります。 1967年にその構想を発表します。中国、ソ連、ベトナムに対抗する政治連 合です。

共産国の出方次第では、軍事連合にするかもしれない。しかし、我々が政 治団体とか軍事団体を結成すると言えば、アメリカにぶち壊されてしまう ので、当分の間は文化、観光、経済の団体という覆面をするつもりです。 日本にぜひ協力してもらいたい。[1, p121]

日本政府は察知していなかったが、9・30事件以降、インドネシアやマ レーシア、シンガポールなど東南アジアのリーダーたちは、「もうこれ以 上、巨大な象(米中ソ)に我々の士地を荒らされてはかなわない」と考え て、ピースゾーン(平和地域)としてのASEAN建設に向けて一致して 動いていたのだ。

日本政府は、スハルト大統領体制が発足すると、直ちに大規模な ODA(政府開発援助)を供与しインドネシア政府を支援した。

ムルトポ准将の言葉通り、1967年、タイ、フィリピン、マレーシア、イン ドネシア、シンガポールと反共を国是とする5カ国でASEANが誕生した。

昭和51(1976)年に総理大臣に就任した福田赳夫は、翌52年、東南アジア諸 国を歴訪し、マニラで、ASEANを全面的に支援する事を約束した。こ の演説は「福田ドクトリン」としてASEAN諸国から、今も高く評価さ れている。


■7.日本を助けたインドネシア指導者たち

インドネシアをはじめとするASEAN諸国は、日本を頼りにするばかり でなく、日本をできる限り助けようとした。アイゼンハワー政権のダレス 国務長官が、日本が講和独立後に、朝鮮戦争特需に代わる新たな経済市場 が必要と考えた時に目をつけたのが東南アジア市場だったが、東南アジア 諸国の指導者たちも、この方針を支持し、日本企業の東南アジア進出を支 援した。

1973(昭和48)年にOPEC(アラブ石油輸出機構)が中東戦争を有利に運 ぶために、石油供給を削減して、石油ショックが起こった。

この時、日本政府は内密にOPECのリーダーであるサウジアラビアの フェイサル国王に日本向け石油の供給増加を依頼したのだが、その際に同 じイスラム教徒として、国王との仲介をしてくれたのが、アラムシャ副首 相やモハメッド・ナチール首相らインドネシアの指導者だった。彼らはこ う語って、日本への支援を求めた。

__________
(大東亜戦争によって)キリスト教徒(オランダ)に支配されていた我々 イスラムの民を救い、その独立を支援してくれたのが日本であり、日本は イスラムの味方だ。[1, p90]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 平成17(2005)年、小泉首相の靖国参拝に関して、中国政府がヒステ リックな批判を繰り返していた際にも、ちょうど訪日していたインドネシ アのバンバン・ユドヨノ大統領は「国のために戦った兵士のお参りをする のは当然のことだと思う」と参拝を支持した。


■8.「たった一度の敗戦で大切な目的を忘れてしまったのは遺憾だ」

 戦後も続いた日本とインドネシアの橋渡しをしたのが、中島慎三郎氏と いう一民間人だった。中島氏は戦時中は日本陸軍の防疫給水部衛生兵とし て、インドネシア各地で伝染病対策を行って、大歓迎を受けつつも、疲弊 した人々の生活に心を痛めた。

 終戦後に帰国し、東京新橋駅前で花屋を始めた。そこに出入りするよう になったのが、戦時中に陸軍士官学校や早稲田大学に留学していたインド ネシアの青年たちだった。彼らは帰国できないまま、母国の発展には日本 の協力が必要だと考え、日本との関係を築こうとしていた。彼らは中島氏 を父とも仰ぐようになり、やがて母国に戻って、政財界で活躍するように なる。

 アリ・ムルトポ准将を福田外相に引き合わせたのが、この中島氏であ る。ユドヨノ首相が靖国参拝を支持してくれたのも、中島氏がツテを辿っ て依頼したのである。

 冒頭の「我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業」と語ったサ ンバス将軍の言葉は、実は海部首相が行った大東亜戦争に関する謝罪演説 に激怒して、中島氏に国際電話で語ったものだった。それはこう続く。

 そんなときに行つた海部演説は、植民地主義打倒の悲願を放棄したこと になる。海部さんは日本の果たしてきた歴史を踏まえ、アジア・アフリカ の悲願を代表して、まだ残っている植民地主義を攻撃すべきだった。大東 亜戦争は継続中だ。たった一度の敗戦で大切な目的を忘れてしまったのは 遺憾だ。[1, p111]


 このサンバス将軍の発言を、中島氏は次のように解説した。

要するに、戦争に負けたからと言って、その戦争で自ら掲げていた理想 まで否定するのは無責任ではないかと、サンバス将軍は言っているのだ よ。その無責任さが結局、現在の日本の東南アジア政策のお粗末さになっ て現れているのだ。[1, p111]


「植民地解放」という理想を忘れてしまった現代日本が、現状維持だけを 旨とする「お粗末な外交」に堕(だ)してしまったのも当然である。それ を歯噛みして見ている国々がある。草葉の陰の我が先人たちも同様であろ う。日本が戦った植民地主義・共産主義との戦いとしての「大東亜戦争」 は、今も続いているのである。


■リンク■

a. JOG(045)「責任の人」今村均将軍(上)
 インドネシアでは、民族独立を目指すスカルノとの友情を貫き、ラバウ ルでは、陸軍7万人の兵を統率して、玉砕も飢えもさせずに、無事に帰国 させた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h10_2/jog045.html

b. JOG(046) 「責任の人」今村均将軍(下)
 戦犯として捕まった部下を救うために、自ら最高責任者として収容所に 乗り込み、一人でも多くの部下を救うべく奮闘した。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h10_2/jog046.html

c. JOG(193) インドネシアの夜明け
 インドネシア独立を担った人々が語る日本人との心の交流。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h13/jog193.html
d. JOG(036) インドネシア国立英雄墓地に祀られた日本人たち
 多くの日本の青年たちがインドネシアを自由にするために独立の闘士た ちと肩を並べて戦ってくれました。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h10_1/jog036.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 江崎道朗『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾―迫り来る反日包 囲網の正体を暴く』★★★、展転社、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4886563805/japanontheg01-22/

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●信用も誠実もない国がたくさんある

以下は全て渡部亮次郎氏から配信されたメルマガからの転載である。

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信用と正直
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Andy Chang

日本人は信用と誠実を命より大事にする。信用を失ったら自殺する
会社の責任者も居るぐらいだ。だが信用を大事にする日本が外国と
の交渉で相手国に騙されてはならない。

小保方晴子の論文にデータ偽造があったと言われ、指導教授の笠井
芳樹博士が自殺したことは日本人が「信」の字を大切にする証拠で
ある。

これに比べたらヒラリーは毎日新しいウソが発覚しているのに顔色
も変えずテレビの前で嘘の上塗りをしている。笠井教授の標準で言
えば、ヒラリーは一万回首を吊ってもまだ足りない。

しかも彼女は大統領になりたいのである。ヒラリーが大統領になっ
たらアメリカは信用できない国になることは明らかだ。

トランプも同じだ。暴言放言がメディアで批判されるとすぐにあれ
これ弁解するが、トランプは決して間違いを認めない。最近の選挙
戦はトランプとヒラリーの悪罵合戦でテレビを見る気がしない。

●信用も誠実もない国がたくさんある

日本人が信用を大事にするのは立派だが外国を相手にするときは注
意しなければならない。相手を信じては損をするだけである。外交
とは戦争である。相手はウソと謀略でかかってくるのに簡単に信じ
てはならない。

「白人がインディアンとの条約を破らなかったことはない、そして
インディアンが条約を破ったこともない」という。また、「ロシアは
条約とは破るもの、中国は条約とは守らないものと思っている」と
も言う。相手を騙すのが外交と思っている国がたくさんある。

オバマの広島訪問がそうだった。オバマは8年前に核拡散防止の講
演でノーベル平和奬を貰ったが賞を貰うのに必要な実績はなかった。
賞を貰って8年たって大統領の任期が終わりそうになっても実績が
ない。

オバマの広島訪問は人類の歴史で唯一の原子爆弾を使った国の大統
領として初めての訪問だったが、オバマは反省も謝罪も表明しなか
った。それでも日本のメディアは「悲惨な過去の清算と寛恕」でオ
バマを褒め称えたのである。

オバマはノーベル賞の実績を作りたかっただけなのに日本人はウマ
ウマと騙されたのである。

考えてみるがよい。日本は戦後から今日まで71年、一貫して謝罪と
遺憾と賠償を繰り返してきた。戦争で多くの国を侵略した、罪を認
め迷惑をかけたと何度も謝罪と賠償をしてきたが、中国や韓国は今
でも「歴史問題が日本の最大の弱点」として攻撃している。

オバマは原爆を使った国として反省も謝罪もしないのに、日本人は
何十万の人民が殺されたことを「清算と寛恕で終結する」という。

日本の外務省が戦争に負けてひたすらお詫びするのが正しいと思う
のは間違いである。相手国は日本の罪を繰り返して攻撃し続ける。
日本国は未来永劫に罪障國として諸国に対応しなければならないの
か、日本の外交政策は間違っている。

戦争は終わった、謝罪も賠償も済んだ。今後は謝罪、弁償、弁明、
一切やらない、平和な日本国として対等に付き合う、それが外交部
の最重要の任務である。

●外務省の背信

日本の友人が送ってきた記事に、山岡鉄秀氏の「外務省の背信」
(Hanada-2016年10月号)があった。2015年末の日韓合意で日本の
岸田外相の発言は「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の
女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日
本政府は責任を痛感している」とあったと言う。しかも日本政府は
責任を痛感し、お詫びと反省を表明し、10億円を提供して財団を設
立すると言うのだ。

慰安婦問題では日本軍の直接の関与はなかった。それにも拘らず日
韓交渉では日本の外務省が軍の関与があったことを認め、反省とお
詫びと10億円の提供をするというのだ。こんなバカな合意をする日
本外交部は日本の為に存在するのか、それとも国益を損傷するため
に存在するのか。外交とは自国の国益を守る戦いをする場所である
のに、ありもしない慰安婦問題で謝罪と反省と賠償、外交ではなく
売国である。しかも最近の報道では韓国側は慰安婦像の撤去に言及
しないと言い出した。踏んだり蹴ったりではないか。

●日本の外交政策見直し

中国や韓国との交渉において日本は相手国との関係が悪化しないこ
とを最上課題としているみたいで、相手は国際関係が悪化するぞと
日本を恫喝している。外交とは自国の国益を守ることが最上の任務
である。国益に反する交渉はやるべきでない。日本政府は「今後は
歴史問題を交渉しない立場」を維持すべきである。

当然のことだが合意を文書にするときは外務省だけでなく、政府や
国会が一体となって一字一句、詳しく検討してから発表すべきであ
る。発表してから英語に問題があったとか文面が相手に悪用される
など、あってはならないことだ。

誠実と信用は日本人の誇りである。しかし相手も日本と同じ信義を
守ると思ってはならない。日本は国際間で信用され尊重されると同
時に、国益を守り自国の尊厳を傷つける外交をしない国となるべき
である。 

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2016.09.08

会議は踊る=秀逸のネーミング

優れたネーミングに感心した。以下は全て宮崎正弘氏から配信されたメルマガからの転載である。

国際秩序をやぶって一方的な侵略を繰り返す中国に  G20もアセアン首脳会議も無力。「会議は踊る」だけだった
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 中国杭州でのG20(2016年9月4日―5日)に引き続き、ラオスのビエンチャンで開催された「アセアン首脳会議」(9月7日―8日)。とくにアセアンの「共同声明」は南シナ海の仲裁裁判所の判決に関して、何の言及もなされなかった。
呆れるばかり、驚くばかり。
ともに「成果」は空っぽ、何のために国際会議を開催したのかという結末だった。

 しかし、静かな成果はあった。
 第一に米中対立が明確になったことである。オバマ専用機に赤絨毯を敷かないという中国側の「歓迎」ぶりは、カーター、ブレジンスキー時代から言われた「G2」構想が音立てて消滅したことを意味し、習近平が就任以来執拗にオバマに迫ってきた「新しい大国関係」は蜃気楼となって何処かへ消えた。

 第二にアセアン諸国が中国の脅しとカネを目の前に、いかに脆弱であるかを晒したこと。日本の頼りなさは以前からの問題だが、安倍首相は限られた条件のなかで、個別会談を重視し、プーチンの来日確約、韓国へは慰安婦像撤去再度要請など多少の得点があった。

 第三に数限りない「国際会議」に中国がきょろきょろと参加するようになってから、中国は自らの孤立感を自己認識できるように進歩したことである。とりわけ「シャングリラ対話」で、中国の強硬路線がアジアの多くから嗤われており、四面楚歌の状況であることを知覚した。
「米中戦略対話」は、経済に特化しはじめた。

 野蛮人がネクタイをし、文明人は裸に憧れるように、懸命に文明国に近づこうとする北京だが、国際会議での発言やパフォーマンスをともなう演出は、すべて国際世論に訴えようとするより国内の権力闘争への思惑が基軸となってきた。
 それでも「国際秩序」なるものが他の国々の価値観のなかで重要な位置をしめていることに気がついたらしい。


 ▼西側共通の価値観「自由」「民主」「法治」「人権」はまだ達成されない

 中国が軍艦を派遣して軍事力を誇示する。
フィリピン、ベトナムの領海である海洋の七つの珊瑚礁を破壊して人口島を埋立て、軍事施設をつくり、挙げ句に2600メートル級の滑走路まで敷設し、レーダー基地と防空ミサイルを配備した。

そのうえで一切の証拠を提示することなく、堂々と「古来より中国領だった」と居座る。
白昼堂々の強盗、侵略行為を、国際社会は弱々しく、「秩序を守れ」「航行の自由」「一方的な秩序の変更は許されない」と批判はしたものの、侵略者=中国を名指ししない。

 チャンバレンの宥和政策は、けっきょくナチスの横暴と中欧諸国への侵略をもたらした。チャンバレンは「平和を持ち帰った」と言ったが、お土産は戦争だった。
 ナチスはワイマール共和国というたぐいまれな民主制度の下で、選挙民が撰んだ結果がヒトラー政権の誕生だった。

 そして「初期のヒトラーはシオニズムに理解があった。ユダヤ人が中東の地に帰り、国家を建設することに賛同していた」(リビングストン元ロンドン市長)。途中から路線が変更となったのも、ドイツ国民の民意ではなかったのか。

 G20は、各国代表がそれぞれの主張をがなり立てるだけ、アセアンは、親中派のラオスが議長国、南シナ海を議題としないようにカンボジアとともに北京の意向を受けて、根回しをして、まわった。
要するにこれら一連の「国際会議は」えんえんとお喋りを続け、合間に踊りを愉しみ、ワインを空けて平和を語ったウィーン会議の再来でしかない。

 メッテルニヒの時代のように、宮殿で「会議は踊る」。されど侵略を制御することも、押し返すことも出来なかった。
      ○△◇み○◇□や◇□○ざ◎○□き○△◇

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